オートミール健康米、日本人の嗜好追求 おいしく・食べやすく進化

 今秋、米穀業界から新たな健康米としてオートミールを切り口とした商品が相次ぎ発売される。コメは糖質が多く太りやすいというイメージの払拭に業界が苦慮する一方、オートミールは低糖質かつ高タンパクを訴求ポイントに、ここ数年で急激に市場が広がってきた。そうした中で昨春、はくばくによる炊飯用「オーツ麦ごはん」の登場により、ご飯との相性が認められ、雑穀や精麦の一商品としてビジネスチャンスを求める動きとみていい。(佐藤路登世)

 コメ卸最大手・神明が発売する「わたしのオートミールごはん」=写真(右)=は、専業メーカーの西田精麦とタッグを組んで開発。「おコメのように炊飯器で簡単に炊けるオートミール」をコンセプトに、オーツ麦を炊飯用に食べやすく加工した。従来のオートミールのコメ化よりぷちぷち食感が残り、コメと一緒に炊飯してオーツ麦ごはん100%でカレーやチャーハン、ビビンバなどのメニューとしてもおいしく食べられる。

 はくばくの新商品「オートミールごはん」=同(中)=は、パックご飯より短時間で食べられる「ごはん化」に特化した箸で食べられる商品だ。独自加工技術により、一般的なインスタントオーツよりもしっかり粒感が感じられるとともに、浸漬なしで1分半レンジアップするだけという、時短調理も訴求している。

 雑穀専業・種商からは「オーツ麦と国産雑穀ごはん」=同(左)=が誕生。オーツ麦の豊富な栄養価に対する認知が広がる中で、より日本人の嗜好(しこう)に合うように、国産雑穀とブレンドし白米に混ぜて炊飯する食べ方を提案する商品だ。

 その一方で、オートミールは健康的で食べたいが、味や食感の面で長続きしないという声も多く、需要は落ち着き始めている。そこで専業の日本ケロッグや日本食品製造から、ご飯のようにおいしく食べられる「オートミールごはん」が昨秋から今春にかけて発売され、TVCMを通じて、オートミールとご飯を結びつける動きが活発化している。かつてはコメと競合したオートミールだが、米穀企業が専業大手を相手にどこまで戦えるか、実力が試されている。=28日付で関連特集記事

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