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スパイス特集:業務・加工用=原料安定で堅調推移 中国産ガーリック動向を注視

調味 2019.09.04 11936号 08面

業務・加工用の分野では主力となるコショウなどのスパイス原料が安定した価格を形成していることに、「しび辛」ブームで花椒(ホアジャオ)やサンショウの需要が高まったことが加わり全体として堅調に推移した。ただし、コショウについては15年秋をピークに原料価格は下落傾向が続いているため、ユーザーからの値下げ要請が強まり、この対応を迫られているようだ。

また、半年前までは旺盛な需要があった花椒やサンショウについても、一部からは「徐々に落ち着きを取り戻しつつある」との声も聞かれる。この「しび辛」ブームが今後、長期的に安定するか、それともブームとして過ぎ去るか、はしばらく注視する必要がある。

業務・加工用の分野の現状で今後に大きく影響を与えそうなのは中国産ガーリックの状況だ。今年の中国産ガーリックは栽培面積減少による収量減に加え環境規制や台風による中国現地加工場の稼働日数減などで、ガーリックフレークの生産量の大幅な減少が見込まれる。中国産ガーリックは16年の高騰以降、結果として価格は軟化傾向となった。しかし、日本メーカーの在庫状況は良好とはいえないようだ。16年の高騰の反動で17年の価格軟化があり、18年は結果として軟化したものの原料価格上昇も予測されていたため、昨年に在庫を強化したメーカーは少ないと思われる。

このため、今年は一定量の購入をせざるを得ないメーカーが少なからずありそうだ。中国産ガーリックの価格は1.6~2倍ほどになるといわれ、この価格と在庫状況を勘案すると価格改定を検討せざるを得なくなると思われる。中国産ガーリックの今後の動向は業務・加工用メーカーにとっては大きな動きとなっていきそうだ。

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