数字で読み解くフードサービストレンド:一人暮らしの外食・中食支出は増加
物価上昇で外食業界には強い向かい風が続いています。値上げによって消費者にはどのような変化が起きているのでしょうか。エヌピーディー・ジャパンが提供する外食・中食市場情報サービス「CREST 」で、外食・中食の客数を見ると、2022年8月時点で、子ども連れの外食機会はコロナの影響からの回復が鈍いことがわかりました。さらに深掘りして分析してみると、コロナの影響だけではなく値上げの影響で、子ども連れが減少していることもわかりました。
4~7月の外食・中食全体への支出を世帯状況(子どもありなし×世帯人数×年収)で見てみたところ、21年より大きく減らしているのが、子どものいる年収700万円未満の消費者で、コロナの影響で最も支出が減った20年4~7月に匹敵するほどの減少率でした。
一方で、コロナ前より支出が増加している層もありました。それが一人暮らし世帯の人で、22年4~7月は19年同期と比べ1%増加していました。飲食店での利用状況を見ると、イートインでもテイクアウト・デリバリーでも一人で食べる機会での利用が最も好調です。
個食向け、一人世帯向けのサービスやテイクアウト商品を消費者に提案していくことに商機がありそうです。一方で、子ども連れには、お得感を感じる施策が有効かもしれません。
(エヌピーディー・ジャパン 東さやか)