ゲームで料理を疑似体験 服部幸應氏監修ソフトが人気 写真付きレシピ40種

1996.05.06 100号 22面

料理への関心が高まるにつれ、コンピュータやゲーム業界にも影響が出ている。今年の2月、料理を取り扱ったゲームソフトが発売され、ひそかな話題をよんだ。サラインターナショナル(株)(東京都目黒区、03・5701・5013)の「王国のグランシェフ」がそれで、発売以来着実に売上げを伸ばし、ヒット商品の兆しを見せている。

このソフトは、自分が主人公となって戦いやイベントをクリアすることにより成長し、最終目的を達成していくタイプのゲームで、今家庭用ゲームで最も人気のあるジャンルのひとつだ。薬によって料理のおいしさを忘れてしまった人たちに、主人公が料理を作って食べさせることで味覚を取り戻し、薬を利用して王国をわがものにしようとする悪者を倒すというストーリー。CD‐ROMを使用しているため、会話はすべて声優のアテレコだ。

ゲーム内には四〇近いレシピが写真付きで登場し、実際に家庭で作ることができるものばかりなので、食事のメニューに困ったときにはとても重宝するとの声も聞かれる。今までのゲームは若年層を対象にしているものが多かったが、このゲームは料理を題材としているため年齢を問わず楽しめ、進めることによって料理を疑似体験することができる。

ゲームと料理を通して家族のコミュニケーションを図ることもでき、今まで悪い印象が多かったゲームというジャンルの、いわば革命児とも言えるソフトである。

TVや雑誌などでおなじみの服部栄養専門学校校長服部幸應氏が監修しており「ゲームをすることで料理に興味を持つ、料理に興味があるからゲームに夢中になれる、そんなゲームを作りました」と同氏は語っている。

現在、家庭用ゲーム機器の3DO専用ソフトとして発売されているが、年内に同プレイステーション用でも発売を予定しており、今年の料理やゲーム業界で注目を浴びることは間違いない。

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