鍋特集 「釜めし太郎」冬季限定の宅配鍋

1996.12.16 117号 12面

ピザ、すし、弁当など依然好調な宅配市場に“宅配鍋”までも現れた。宅配釜めしチェーンの「釜めし太郎」(チェーン本部=千葉県習志野市、0474・71・1990)が冬季限定で展開する「ちゃんこ鍋」と「キムチ鍋」がそれ。具材入りの鉄鍋と濃縮だしをセットにして届けるもので、ユーザーは鉄鍋を火にかけ濃縮だしを好みに薄めるだけのお手軽鍋セットだ。オーダーは一人前(八八〇円)から。火気の無い場合には、カセットコンロをボンベ代二〇〇円で貸し出すユニークなシステムもある。

宅配鍋をスタートしたのは四年前。ディナータイム、釜飯とのセットアイテムとしてチラシで提案したところ、釜飯のヘビーユーザーから予想以上の評判を得、同チェーンの冬季名物アイテムに定着した。

鍋オーダーは一日平均で一〇件前後。釜飯とのセットオーダーが大半で、月商は約三〇万円増し。鍋と釜飯は食材の汎用率が高く、濃縮だしは仕様書発注による簡便個別パックであるため、食材ロスの心配がなく、オペレーションにかかわるリスクも低いという。

とりわけ、追加投資もないままの月商三〇万円増しは、損益分岐点二四〇万円の同チェーンにとって、ボーナス売上げともいえる大きい数字。宅配鍋は大成功といえるだろう。

年替わりする鍋アイテム。今年の内容は次の通り。

◆「ちゃんこ鍋」(九八〇円・一人前)=鶏肉、つみれ、ホタテ、カニ爪、もち、豆腐、椎茸、エノキ、ニンジン、ネギ、白菜、ニラ

◆「キムチ鍋」(八八〇円・一人前)=キムチ、豚肉、もち、豆腐、椎茸、エノキ、ニンジン、ネギ、ニラ

◆別売り・うどん(一〇〇円・一玉)

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら