お店招待席:とんかつ酒房「蔵粋」千葉・稲毛
昼間はこだわりのとんかつ、夜は全国の銘醸酒とうまい肴を提供しているのは「とんかつ酒房蔵粋(くらしっく)」だ。
千葉県稲毛の国道一六号線沿いに9月1日オープンしたばかり。木をふんだんに使ったゆったりとした店内から、隣の「ガレージシマヤ」の珍しい英ウェストフィールドやウェストスポーツなどの外車が眺められる。
オープンのきっかけも実にユニークで「うまいとんかつが食べたかったから、自分で作った」(島影昭吉オーナー)と、なんともダイナミック。
店名の「蔵粋」は、クラシックな雰囲気でクラシックカーを眺めながら飲めるから、という意味で付けられた。その名の響きに惚れ込み、既に同名で日本酒を出している福島の小原酒造から許可を得て、命名した。
同店自慢のとんかつは、SPF豚(無菌室で育てられた)のこだわりの素材で、サラダ油で揚げてサクッと香ばしく、アッサリと食べられるところが特徴。「ロースカツ定食」(一五〇㌘、一五〇〇円)、「ヒレカツ定食」(一八〇㌘、一八〇〇円)の二種で、ご飯もふっくらと炊いた厳選の新潟産コシヒカリ、汁物、新鮮サラダ、香物、季節のフルーツと盛り沢山、お腹いっぱいのランチメニューとなっている。
さらに、夜は全国の銘醸酒約八〇種をそろえる居酒屋に変わる。階下のシマヤ酒店が経営しているので、他店では味わえない全国のよりすぐりの純米吟醸、大吟醸酒がズラリ勢ぞろいしている。その中でも、蔵粋ならではの「オリジナル斗びん取り大吟醸」が一際目を引く。
斗びん取りとは、もろみを絞る際に、自然に落ちるしずく酒を斗びんに集めたぜいたくな酒で、「喜多屋」「李白吉岡入魂」など堂々約三〇種。果実酒のような清々しい香りと、澄んだ味わいが絶品だ。
また、ボトル売りも、蔵粋の本家小原酒造の「蔵粋大吟醸」を筆頭に約一〇種を用意。古酒も岩の井「昭和五〇年仕込」(大吟醸)、「同四八年」(純米酒)、「同五七年」(同)の三種。長い時を経たこはく色の古酒は、酸味と甘みのバランスが絶妙で紹興酒にも似ており、うまい肴でじっくりと味わいたい。
うまい地酒をさらに引き立てる肴も、味噌にじっくりと漬け込んだ「牛舌のみそ漬け」などの一品物もよし、舌の上でとろける「豚の角煮」なども充実して、地元の客がゆっくり腰を落ちつけて語り合えるスペースとなっている。
とんかつ酒房 蔵粋(くらしっく)
<創業>平成9年9月
<所在地>千葉市稲毛区長沼町二〇九(電話043・286・5544)
<営業時間>午前11時~午後2時、午後5時~10時、水曜日定休
<店舗面積/席数>一五坪/三四席(いろり八席)
<従業員数>社員一人、アルバイト四人客単価>三〇〇〇~五〇〇〇円
<客層>サラリーマン、家族連れ