喫茶特集:業態特化を牽引する有力チェーン カフェベローチェ
一八〇円よりさらに安い“一五〇円コーヒー”で独自喫茶ビジネスを展開している。ベローチェの事業主体は(株)シャノアールで、昭和40年代から同名のストアブランドで、古典的な喫茶ビジネスを展開(現在七二店舗)、いまの四〇代、五〇代の中高年層にとっては懐かしい名の喫茶店だ。
ベローチェは昭和61年から展開しているFF機能の喫茶で、ドトールを意識した低価格路線の業態だが、ドトールに比べ消費者のストアロイヤルティーは低いと評されている。
店舗数がドトールの六〇〇店に比べ、一〇分の一の六〇店舗とチェーンとしての露出効果が小さいこと、さらには、商品の質、店の雰囲気などQSCの完成度が不十分というのがその理由だ。
しかし、店の好感度については、店のハードや運営ソフトの見直しを進めており、近い将来にはいい結果が出せるとの見通しを立てている。
「ただ安いというだけではダメです。商品の質はもとより、店の持つ雰囲気や接客サービスなど付加価値をどう創造していくかです。ベローチェは先行きCI導入をキッカケに、パワーアップする方向にありますが、基本は喫茶メニューの活性化と店の造作になると思います」(シャノアール総務部長木村毅男氏)
店舗の造作といえば、シャノアールは昨年12月、両国店を約一億円をかけて全面リニューアルした。女性の感性に訴えたデザイン志向の店造りで、ゆとりの空間をアピールするために、二〇〇の客席を一六〇席に減らした。
単純に計算すれば、二割方営業面積をカットする形になるが、その分来店動機を喚起し集客力を高めるという考えだ。しかし、これは以前の客には違和感のあるリニューアルで、このため客層が変わった。
これは狙いどおりで、以前はサラリーマンが大半を占めていたが、現在は女性客が七割と逆転することになった。客数は一割減だが、逆に客単価は三九〇円から四二〇円と一割近くアップした。
月商一〇〇〇万円が目標だが、固定客がついてきているので、二、三ヵ月内には達成する見通しだ。メニューは低価格志向でブレンドコーヒー二八〇円、エスプレッソ三一五円、カフェオレ、カプチーノ各三三〇円。生ケーキ(九種類)もあり、これは三六〇~四〇〇円。ケーキとドリンクのセットは五八〇円。