特集・デリバリーピザ市場:生き残り賭ける宅配ピザ店
店舗の飽和化と淘汰が進む宅配ピザ市場。成熟期を迎え、生き残りをかけた各店の方向性が鮮明となってきた。業態形成からわずか一〇年強。店舗数は全国三〇〇〇店舗、市場規模は約一三〇〇億円にも達する。ハンバーガー業界が三〇〇〇店舗築くまでに約二五年間要したといわれるが、宅配ピザはそれを一〇年強で済ませてしまった。当初の投資マインドは色あせ、横並び体質にも終止符が打たれようとしている。地道な“飲食業”としての自覚を新たにし、個性化に向かいはじめた宅配ピザ業態の現状を探った。
宅配ピザ業態は業態発足以後、かつてない成長率を誇ってきた。最近は、ローカル対応の店舗パッケージも多く開発され、市場規模はなおも拡大傾向にある。だが、都市部の既存店売上げは、横ばいか、むしろ減少傾向にある。慢性的な店舗飽和化と、新規出店が加速する他業種宅配店との競合激化が要因のようだ。
業界関連からは、「ブーム期の利益が異常過ぎた。宅配ピザ業態は、圧倒的低投資で調理オペレーションが単純、店舗パッケージとノウハウさえ知れば、だれでも簡単に儲けることができた。むしろ現在の売上げが正常値なのでは」(資材業者)との声が多く、「ビッグセールスを期待するよりも、現状の売上げで利益を捻出する構造改革を急ぐべき」と見られている状況だ。
とはいえ、業態が沈滞ムードに包まれているわけではない。逆に個性化機運が高まっている。従来の横並び体質から脱皮した“個性”ある店づくりが活発化している。
ブーム期の月商相場は、保有バイク台数×一〇〇万円だったが、最近は保有バイク台数×八〇万円という見方が支配的で、一部のチェーンや繁盛店を除き、しばらくはこの指標が目安となりそう。
デリバリーピザ業態は、大まかに分けて四度の局面を経験した。
まず業態草創期のシステムの構築競争(第一次戦争・一九八五~八八年)、ついでブーム最盛期の出店競争(第二次戦争・八八~九一年)、バブル崩壊後のキャンペーン(価格)競争(第三次戦争・九一~九五年)である。
幾多の局面を乗りきってきたチェーン店、単独店が、自らのアイデア、セールスポイントを前面に打ち出す策に転じている。
地場単独店は小回りの効く順応性を武器に地場ニーズに合った店づくり。または損益分岐点を大幅に引き下げた利益重視のパパママ経営。大手チェーンはスケールメリットや企業実績を生かしての新機器や新業態の開発。双方とも、かつてないオリジナリティーにあふれている。
これを五度目の局面とすれば、個性化を研ぎすます競争期(第四次戦争・九五年~)といえるだろう。














