企業直営(FC)を拝見 エバラ食品工業「遊彩食」多目的パーティーレストラン

1992.12.21 18号 11面

エバラ食品工業㈱は、別法人・エバラコーポレーション(横浜市神奈川区沢渡、045・312・3881)で外食事業を展開している。

当初、ファミリーレストランタイプで、五年前自由ヶ丘に、「遊彩食」をオープンした。当時はエバラ食品工業のアンテナショップとして、あらゆるメニューがならんだ。特にミニドンブリと称して、小さな器で、ラーメン、天丼、かつ丼などが人気を呼んだ。しかし、採算的には、なかなか黒字にならず、どのような業態にするか、いろいろ研究した。その結果、新たに登場したのが「パーティーレストラン・遊彩食」であった。

同店は、各部屋ごとに仕切られており、最低七名前後から、最高五〇名前後まで入れるようになっている。部屋は、一時間三〇〇〇円、輸入家具を使った豪華なロイヤルが六〇〇〇円、コンベンションが一万円、料理は和中洋五〇種類以上あり、料金は大衆的になっている。

料理の量は二~三人用となっている。また、飲料、アルコール類も豊富で、ボトルキープもできる。

なぜ、ファミリーレストランから、このようなパーティーレストランに変ったかというと、ファミリーの場合、料理の手間の割合いには、利益率が上がらず、しかも、その日の客の人数がバラバラであるために、仕入れにもムダが出る場合があった。しかし、パーティーレストランの場合は、人数がまとまるということもあって、予約型となっており、その日の来店数があらかじめわかるために、仕入れ、売上げ金額などが事前にわかる。

このパーティーレストランは、いま、流行のカラオケボックスと間違われるケースがあるが、部屋は、どのように使っても自由である。会議用にも使用される場合もあり、このため、各部屋にカラオケ装置はあるが、むき出しには設置されておらず、木製の家具調ボックスに収納されている。

このパーティーレストランを運営して気付いたことは、人手が店舗スペースの割には、少人数ですむこと、また、現代の若者は、いろいろな名目でパーティーを開くということ、そして、かならずカラオケを使用するということである。

このため、部屋代、食事代、カラオケ代とすべてが店の収入となる。

一方、使う側にしてみても食事のあとの二次会という心配は必要でなく、一カ所ですべて満足出来るというのも好評である。自由ヶ丘店の営業時間は、平日が正午から午前2時まで、金、土は、午前4時まで、日曜日、祝日は、午前0時となっている。客単価は、約四〇〇〇円で、一日三回転している。

客層は若い年代が多く、中でも六割が女性である。女性客になぜ好評かといえば、他の客の目もなく、仲間同志、好きな姿勢で自由に語り合えるということにあるようだ。

また、関西の阿部野の近鉄デパートには、本格的なファミリーレストランがある。パーティーレストランについて、同社では「ある程度、自信もあり、やや強気の予想を立てていたが、実際の売上げは予想より、七割も多かった。支払いの時に次回の予約を入れる客も多く、再来店のケースが多くなっている」。

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