御意見番!業界ニュース解説:現場にほど遠いシステム論(安藤洋次氏)
ワタミの取り組みは、一過性のものではないかと思う。その結果、信用をなくすことが心配だ。経営とは常に社会環境やその状況に合わせて対策を立てていくが、みなそれが一過性のものとして慣れてしまっている。
ISOについても、組織内のどこが担当するかとなると、組織は巨大になってしまい、生き残れない。でも兼任の形をとれば継続の流儀から外れる。
システムは立派だが、実践論としてできるのか問うてみたい。ワタミはIR(投資家に向けて実施されるコミュニケーション活動)の一環として、これに取り組んでいるというのが第一印象だ。
日経流通に全面広告を出したことも、環境を考慮する心があるなら、片隅のスペースでも十分だろう。
またISO14001取得についての各種情報を公開するとあるが、それは有料だという。団体などを通じて無償で公開すべきではないか。品質保証の考え方は、少なくとも私はオープンにしてみなが共有すべきものだと思う。企業、業界というレベルではなく、地球人としてどうするかという問題だ。
人が何かをやりたいという情熱があれば企業は動く。中でも社長が情熱を持ってやれば動く。でもそこだけで終わったら損得論にすぎない。業界まで持ち上げることができたら善悪論になる。
経営の合理化を図ろうと思ったら、ISO14001を取らなくてもできる。ワタミは今回二五〇〇万円の経費をかけ六〇〇〇万円のコスト削減をしたというが、ちょっと資源対策をすれば簡単に二〇〇〇万円ぐらいのコスト減は可能だ。
HACCPを含め、厚生省の製造管理過程の認証制度を取得した企業に、実際に期待された効果があるかという質問をすると、全員がないという。企業啓発がうまくいくというだけの話だ。
認証を取るまではそれほど大変ではない。それよりも、居酒屋のマトリックス構造の厨房のなかで、ゴミを分別するだけで何坪のスペースがなくなるか。デッドスペースが余分にでればそれが単価に乗るだろう。確かに環境会計で見ればプラスかも知れないが、通常の連結ではどうなるのか。
またなぜスイスの認証機関を使ったのか。和の文化の居酒屋のことが分かるのか。システム論だけで見るのなら実に簡単なものだと思う。
本社を含め直営全店で認証を取ったというが、現実に二五〇〇万円の費用で一店舗ずつチェックできるわけがない。本社のシステム論にすぎず、本当に現場に行き渡っているのか疑問だ。














