全国ピザ・パスタ繁盛店特集:札幌「カルタ・パコ」

2000.07.17 208号 16面

札幌の中心部から車で約一五分。市街西部に位置する景勝地、旭山記念公園の山麓は、閑静な住宅街であるとともに、郊外型のしゃれたレストランが点在することで知られる。この地に、イタリア料理店「カルタ・パコ」がオープンしたのは九一年秋。木造二階建の落ち着いたたたずまいと、看板メニューである「紙包焼きスパゲティ」が好評を得、近隣の主婦客から若い女性連れ、カップルなど幅広い層に支持されてきた。

「スパゲティは通常、ゆであがった麺に具材とソースをからめます。紙包焼きスパゲティの場合は、ゆで時間八分の麺を、五分ゆでて三分蒸すんです」と青木店長。

調理手順は、ゆでた麺を紙の上にのせ、具材とソースをかけて包み込む。それをフライパンの中へ入れ、ふたをして蒸す。麺が伸びないように作業は手早く行い、紙はクッキングペーパーに似た水分を通さないものを使用。

「蒸すことで素材のうまみをストレートに引き出し、それを逃がさないよう紙で包んでおく。理想的な調理法だと思いますね」

出来上がったスパゲティは、紙に包んだままの状態でテーブルへ。客自らが紙を破り開き、中から立ちのぼる湯気や香りを楽しめるのも魅力の一つだ。

メニューは塩味とトマトソースの二つがあり、ともに六種を用意。一番人気の「ペペロンチーノ」(一〇〇〇円)は、唐辛子の辛みがきいた塩味のスープスパゲティで、魚介類がたっぷり入っている。

紙包焼きスパゲティに自家製パン、サラダ、ドリンク、デザートが付いたランチは九五〇円。コースは二四〇〇円から。ほかに前菜やサラダ、リゾット、ピッツァといった単品料理も用意。

ディナーの客数はランチの二倍、週末は平日の二倍と、郊外店ならではの特徴をもつ。

また、小路を挟んだ隣の敷地では、窯焼きピッツァとイタリア料理を楽しめる姉妹店「レ・マドリ」を経営。

青木店長は、「うちのピッツァもうまいが、隣は専用の窯で焼くのでもっとうまいですよ。常連さんの中には、スパゲティはうちで、ピッツァは隣でという方が多いですね」と笑顔を見せる。

一方の店に初めて訪れた人が、姉妹店の存在を知って、後日そちらへ足を運ぶケースもあるらしく、それぞれに特色をもたせた経営スタイルが相乗効果を生み、集客率アップにつながっている。

●売れ筋メニュー

〈一位〉紙包焼きスパゲティ・ペペロンチーノ(一〇〇〇円。カニ、イカ、イイダコなどの魚介類がたっぷり入った塩味のスープスパゲティ)

〈二位〉紙包焼きスパゲティ・アマトリチャーナ(一〇〇〇円。ベーコン、キノコ、玉ネギ、唐辛子の入ったちょっと辛めのトマトソーススパゲティ)

〈三位〉ピッツァ・パルマ(九〇〇円。キノコをのせて焼き上げたピッツァに、パルマ産の生ハムをぜいたくに加えたもの)

●店舗メモ

◆「カルタ・パコ」(札幌市中央区双子山一丁目五番四号、011・551・7119)店主=船木雅彦/営業時間=午前11時30分~午後3時、5時30分~11時、第三火曜日定休/坪数・席数=四〇坪・四〇席/客単価=昼一〇〇〇円、夜三五〇〇円/平均客数一〇〇人(平日)~二〇〇人(週末・祝日)/平均月商=五五〇万~六〇〇万円

●私の愛用食材

季節の特別メニューとコース料理には、刺身で食べられるほど新鮮な魚介類を使用。「生の魚介類は、例えばホタテは甘みがあって軟らかく、白身魚は蒸したり焼いたりすることで風味が増します。冷凍とは味や食感がまったく違いますね」と青木店長。

時には瀬戸内産のタイなどを使うこともあるが、メーンは北海道の旬。カレイは紋別産、ホッケは羅臼産、イカは今なら積丹産で次は函館産と、異なる海域に囲まれた北海道らしい食材のセレクトが行われている。

その仕入れを支えているのが、近くのスーパーにテナントとして入っている鮮魚店。この道五〇年のベテラン店主のことを青木店長は「大将」と呼び、「大将の目に間違いはない」と絶大な信頼を寄せる。

コース料理の組み立ては、毎朝鮮魚店に並んでいる魚介類を見てから決定。夏は「朝採りイカ」を使った特別メニュー「紙包焼き・マイカのスパゲティ」が例年好評。

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