イカ墨に抗がん物質

1993.02.15 22号 23面

イカは軟体動物頭足類、魚ではないが、日本で最も大量に食べられている水産物である。が、その内臓、とくに墨となるとスペイン、イタリアなど地中海料理と日本では富山地方の墨造り塩辛で使われているぐらい。いま、そのイカ墨をバイオテクノロジーを使い抗がん剤に開発しようという研究が続けられている。

イカのスミから抽出した新しいタイプの糖質に抗ガン効果があることが、弘前大学医学部細菌学教室のマウス実験で確認されている。イカ、タコなどに含まれている糖質には、以前から潰瘍抑制効果があることが知られていた。マウス実験結果といえ、これまでほとんど利用されることがなかったイカのすみの思わぬ効用に、専門家も「将来の臨床応用に道が開ける可能性がある」と注目している。

(協力‐讃陽食品工業㈱、問合わせ・03・3292・3410)

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら