讃岐うどんブームを支える有名2店:がもううどん
瀬戸大橋のかかる坂出市にあるうどん店「がもう」。うどんツアーをするなら、はずせない一軒だ。テレビ局や雑誌にも何度となく登場する最有名店のひとつである。店に至る道は、車一台がやっと通れるような細い住宅地の路地。偶然、通り道で見かけることなど絶対になさそうな立地条件に、昭和34年創業以来変わらないノスタルジックな店構え。
客席は八つなのに駐車台数は二五台。昼時になると、どんぶりを持った客が店の外にあふれる。ベンチに座り、ひなたぼっこを楽しみながら麺をすする。田園地帯に広がる絶好のロケーションも人気のひとつ。
メニューはかけうどんだけ。店の入り口でうどんを湯がくご主人にうどん玉の大きさ(小一〇〇円、大一八〇円、特大二七〇円)を告げ、どんぶりにうどんを入れてもらって奥へ。勘定をすませ、自分でネギとだしをかけたら、あとは思い思いの場所で食べる。
食べ終わったら、どんぶりに残った汁をポリバケツに捨て、流しにどんぶりを返すのだが、この間わずか五分程度。おそらく日本最速の昼食だろう。この回転の速さで、どんなに満員でも食いっぱぐれることはない。
硬くないのにコシを感じる麺と、何杯でも飲めそうなくどさのないだしがおいしい。サイドメニューの揚げと天ぷらを好みでトッピングすることができるが、それも一つ七〇円という安さ。毎日食べても飽きのこない、昔ながらの讃岐うどんだ。
◆「がもううどん」(香川県坂出市加茂町四二〇‐三)営業時間=午前9時~午後5時(麺終了次第閉店)、日曜定休/席数=八席/駐車台数=二五台