飲食トレンド:家族団らんはいろり囲んで いまブーム炭火焼き店

2001.04.16 226号 1面

焼き肉ブームに続き炭火焼き料理が大人気だ。都内では炭火焼きをうたった店舗が急増している。大人数ではなく、気の合った仲間同士が気楽に飲んで食べるというお茶の間感覚のコミュニケーションに、セルフの炭火焼きスタイルがマッチした格好だ。ノンフライという調理方法も健康志向を背景に人気である。いずれも素材にあまり手を加えず、客が自分で肉や野菜を焼いて楽しむというシンプルな調理方法ゆえに、各店とも鮮度や品質にこだわり、厳選素材や地方の旬の味覚を取りそろえるなど、素材への工夫が差別化のポイントとして欠かせなくなっている。

高級焼き肉「叙々苑」チェーンが仕掛けた焼き肉の会席料理を皮切りに、ここ一〇年で焼き肉店の提供スタイルは一新。多業態化が進むとともに店舗数も急増し、飲食業界の一翼となった。

市場拡大の原動力は無煙ロースターと牛肉輸入の規制緩和だった。クリーンイメージを打ち出し安心価格を訴求することで、女性客やファミリー客を強力に新規開拓したのだ。ロードサイドの低価格チェーン「焼肉屋さかい」「安楽亭」らは出店を加速し、株式上場にまで至っている。

しかし、焼き肉は素材料理なため、肉だけに偏ると最終的に原価勝負に突入し、スケールメリットの大小が明暗を分ける。

そこで現れたのが、韓国料理店に特化したり、炭火焼きや練炭の採用で懐古調を演出するトレンドだ。いわばファッション的要素の強い店づくりである。急展開している「牛角」がその典型だ。

そのトレンドの次に来たのが、「肉に限らず食べたい素材を自分で焼く」という発想の転換である。あえて「焼き肉」をうたわず、ノンフライ&セルフサービスを前面に打ち出した業態である。東京・大田区を拠点に展開する「かたりべ」チェーンがその先駆にあたる。

店舗過密化が進む焼き肉店業界は、客の飽き離れを防ぐため、サイドメニューの強化(肉以外の焼き物のアイテム化)に躍起だが、ならば「焼き肉」という発想をやめて「焼き物」にしたらどうか、という取り組みである。展開事例を二店舗紹介する。

(2面につづく)

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