料理人のこだわりテクニック(7)玉ひで・山田耕之亮社長
「一つのマグロのサクで二つの料理を作るとしたら、まずサクのまわりを削って、中心だけを刺身に使い、あとの部分は別料理に使う。これは、鳥料理でも同じ。同じ材料でも、料理にあった部位はどこかを常に考えなくてはいけない」と語るのは、「玉ひで」八代目山田耕之亮社長。
「料理は、頭の中で素材などについて良く考え、『いける』と思ったら、作ってみる。考える力を持つことが大切。だから私はレシピを決して見ない」と言う。
そんな八代目が、「東京軍鶏のおいしいスープをお客様にも味わってほしい」と生み出した料理が「特撰八代目一羽丸どり鍋コース」。極上のスープに、胸肉のしゃぶしゃぶ、もも肉の水炊き、最後には雑炊と、軍鶏肉の部位ごとに一番おいしい調理法で料理したこだわりの逸品。玉ひでの二四〇年の歴史で初めて登場する、予約を入れないと食べられない一日限定一二人のこの料理は、一度作ると精も魂も尽きるともらす。
◆「玉ひで」=東京都中央区日本橋人形町一‐一七‐一〇、電話03・3668・7651