ザガットサーベイに見る流行最前線の裏側(2)ステーキ編

2001.06.04 229号 27面

「単純に凄いとしか言い様のない店」、〓皮(あらがわ)の表現はこの一言につきる。この店のステーキは旨いですか? と聞かれることがあるけれど、そういう人には「あなたは吉兆の説明を求めるにあたって美味しいですかと聞きますか?」と答えることにしている。

つまり、世の殆どの店はお客様が来てからのおもてなしで勝負するけれど、例えば料亭などの一部の店はお客様が来る前の準備に気の遠くなるような時間と手間をかける。その代償として当然、高価な店になってしまい勢いノーゲストで一夜を終えるコトもままあるに違いない。

しかし、馴染みのお客様がいつ来ても良いように今日もフルスタッフで準備する。従っていつこの店に行っても間違いなく完璧な状態がそこにあり、その代償として高価な店となってしまう。

高価であることに価値を求める人は必ずや失望する。ゴージャスからはほど遠いロケーションや店の設備に文句するに違いない。高価であることを客の言いなりになる慇懃な従業員がいる、と解釈する人も必ずや失望する。この店は正直で若々しいスタッフが今日もグラスを磨きつつ見ぬお客様に思いを馳せる、その気持ちを買う店であり、そうした店が平気で存続しうる東京と言う街は凄いな、と実感せしめる、そう言った店。

ところで冒頭の質問の答えは「文句無く世界最高クラスの旨さである」…それ以外の言葉は思い浮かばぬ!

((株)OGMコンサルティング常務取締役 榊真一郎)

〈「ザガットサーベイ東京のレストラン2001年度版」から引用〉

第1位=〓皮(あらがわ)/港区新橋三‐三‐九、阪急交通社ビル地下一階、03・3591・8765/価格目安・三万一五〇〇円/ワインをおすすめ通りにいただくとハワイに行った方が安い、三田牛をていねいに焼き上げた最高級ステーキ屋。

第2位=さざんか/港区虎ノ門二‐一〇‐四、ホテルオークラ本館一一階、03・3505・6071/価格目安・一万四九〇〇円/最高の食材を見事な手さばきのシェフが供し、ホテルオークラのサービスが発揮されている。

第3位=哥利歐/中央区銀座八‐一八‐三、永井ビル一階、03・3543・7214/価格目安・二万円/狭くて楽しめないが炭火焼きのアッサリしている最高級ステーキを味わえる。 皮の姉妹店。

第4位=和田門/港区六本木三‐一五‐二三、花椿ビル地下一階、03・3470・4431/価格目安・九九〇〇円/和風の盛り付けが美しく、お肉があまり好きじゃなくてもどんどん食べられてしまうおいしさ。

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