売れる惣菜 材料・調理法・応用のヒント(5)サラダメニュー編
◆売れる調理のポイント
サラダは欧米においてサンドイッチのファイリング(具)として使うが、オードブルに使うため、マヨネーズタイプよりドレッシングタイプのものが好まれる。だがわが国では、家庭料理の「付け合わせ料理」として使われるか、弁当や夕食のおかずのもう一品、というケースが多い。
市販のサラダ販売をみると、「ポテトサラダ」と「マカロニサラダ」の二品で六〇%(スーパーマーケットのPOS調査)を占めており、この傾向は外食分野においても大差ないのではないか。ただ、“おかずサラダ”としてはいまひとつ訴求力がない。居酒屋メニューとしては「○○サラダ」と店名を頭につけてオリジナルなメニューを提供していることが多い。最近の傾向として指摘できることは、若い女性客が増えているので、材料(具材)の種類を可能な限り多く、広げることではあるまいか。
◆業務用食材のポイント
サラダという名の語源は、ラテン語の「サラ=塩」である。昔は塩が通貨だったから、「サラリーマン」の「サラ」も同じ語源となる。新鮮な野菜類に塩を振って食べることをサラダ料理としたわけ。つまり、「野菜+塩、またはドレッシング、マヨネーズ」だから、原価が安いことをお客はよく知っている。したがってサラダに高い料金を支払ってくれないということを、扱う側もよく知っておく必要がある。
だから業務用の食材を使うのは野菜(カット野菜)と味付けに使うマヨネーズやドレッシングだけ。ポテトサラダにしてもマカロニサラダにしても、その店のオリジナルサラダにしても、マヨネーズ味のサラダの場合、メーカーの製品(例えばキユーピーの業務用)をそのまま使うのではなく、塩、砂糖、酢、醤油、コショウ、マスタード、ごま油などで味付けした調合マヨネーズが必要になる。
◆タマゴサラダ
●材料/生卵、アサツキ(トッピング用)、〈調味料/マヨネーズ(キユーピー業務用)、生クリーム(コーヒー用の植物性のもの)〉
●作り方/(1)生卵の場合(液卵を使うこともある)は次亜塩素酸ソーダ溶液で殺菌する(約一〇〇〇倍に薄める)(2)水洗い(3)熱湯でゆでる(4)ゆで卵は四つ割にして半分つぶれるくらいに突き崩す(5)マヨネーズに生クリームを加えたもので和える(6)提供する前にアサツキのみじん切りをトッピングするとよい。
●ゆで卵の殻のむき方/ゆで卵の殻のむき方であるが、殻にひびを入れてボールに入れ、水を加えてガラガラと強くこするとよくむける。途中、水を加えていくと殻がはがれやすくなる。
●調理上の注意/サラダで食中毒を起こすのはこのタマゴサラダ。卵の殻に付着していたサルモネラ菌(鶏糞中)が原因となる。最近では「無菌卵」まであり、食中毒問題の重要性を裏付けている。手を抜いてはならない。
◆シーフードサラダ
●材料/むきエビ二〇〇g、板付きかまぼこ一本、ワカメ二〇〇g、キュウリ二本、タコ四〇〇g、〈飾り/トマト(くし切り)、レモン(輪切り)〉〈調味料/ベネグレットソース(キユーピー製)二〇〇cc、和風ソース(三杯酢・キユーピー製)二〇〇cc〉
●作り方/(1)かまぼこ、キュウリ、タコは短冊切りにする(2)ワカメは乱切りにする(3)むきエビは一度湯通しにしておく(4)各材料を混ぜ合わせる(5)ベネグレットソースと和風ソースを入れ混ぜ合わせる(6)提供する直前にトマトのくし切りとレモンの輪切りを飾る。
●応用のヒント/シーフードを使ったサラダメニューは割合新しい。欧州の「海鮮サラダ」(フランス風刺身)はドレッシングによって「魚用」と「貝類用」と分けられている。共通したものはオリーブ油とワインビネガーの二種。違う点は魚の臭みを抜くために「魚用」にはケーパース、パセリなど香草(ハーブ)を多用していること。