思わず選ばれる!いまどきパスタのアイデア:「先斗入ル」京野菜のクリームソース

2004.03.01 281号 5面

日本独自のパスタ、それは和風のパスタ。タラコを使ったものなどは既に定番となり、今ではさまざまな和風パスタがお店で気軽に楽しめるようになりました。しかし気軽に楽しめるようになった分、よく見かける和の素材を使ったパスタではあまり新鮮味がないのも事実。そんな中で今回ご紹介するお店は、一歩進んだ和風パスタのお店「京風スパゲッティー 先斗入ル」です。

京都の「先斗(ぽんと)町」に由来する店名からも分かるように、京野菜をはじめとする京都独特の素材に焦点を当てたパスタのお店です。

メニューの中で私が気になったのは「京野菜のクリームソース」。野菜のクリームソースというと地味なメニューに思えますが、「京野菜」と付くだけで、どんな野菜が入っているんだろう? と興味がそそられるところ。

出てきたパスタには金時人参、里芋、蕪が入っており、上に京壬生菜がどっさり乗せられていました。金時人参の鮮やかな朱赤と京壬生菜の緑がきれいなコントラストを成しています。どの野菜もパスタには珍しく、食べる前から期待が高まります。

いざ食べてみると、野菜一つ一つの味や香りが濃く感じられ、野菜だけといっても予想以上にしっかりとした食べごたえ。関東ではあまり目にしない野菜、金時人参の上品な甘さは特に印象的でした。

里芋は軟らかく火が通してある一方、蕪にはシャキシャキとした歯ざわりがあり、口あたりの違いも楽しむことができます。これらの野菜をやさしい味のクリームソースがまとめているのも大事なポイント。

和の野菜パスタといっても、惣菜や煮物を単にパスタと組み合わせるのではパスタ料理としての一体感がありません。クリームソースでまとめることで、全体で一つのパスタ料理として味が落ち着いています。

ご当地ラーメンならぬこんなご当地パスタ、他の地域の素材でも食べてみたいものです。

◆京風スパゲッティー 先斗入ル(東京都新宿区歌舞伎町1、サブナード地下街)営業時間=午前11時~午後11時

◆マリぞう=パスタの食べ歩きとメニュー開発に日々取り組むパスタフリーク。自ら食したパスタを紹介するホームページ「パスタ日記」(http://www.ne.jp/asahi/marizo/pastadiary/)を主催運営し、メニューアイデアの宝庫として好評。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら