この一品が客を呼ぶ・東京:「ナチュラル・ハーモニーアンゴロ」ハーモニーセット
無肥料自然栽培の野菜をはじめ、自然発酵の醸造食品や無添加食品など、独自の仕入れルートを確立して多角的に事業展開する会社、ナチュラル・ハーモニー。同社が経営するレストランでは、自然栽培の野菜を中心としたヘルシーメニューの数々を提供。二〇~三〇代の女性客を中心に、連日にぎわいを見せている。
トラックによる引き売りスタイルの八百屋からスタートして二〇年。ブランドや産地に左右されず、本当にいいものだけを扱うという一貫した販売手法が人気を呼び、今や本業の青果店のみならず、レストランやエコロジー雑貨店、野菜や食品の通販を手がけるまでに成長したナチュラル・ハーモニー。
無肥料自然栽培、自家採種・在来種の野菜をはじめ、自然発酵の醸造食品や無添加食品など、同社の経営理念に賛同した全国各地の生産者と契約を結び、独自の仕入れルートを確立。今なおそのネットワークを広げている。
一〇年前にオープンしたナチュラル・ハーモニー アンゴロでは、本部を通して仕入れた、いずれも体にやさしい食材を使った料理を提供し、二〇~三〇代の女性層を中心に人気を集めている。
「ハーモニーセット」(一二〇〇円)は、ランチタイム限定ながら一日五〇食も出る人気メニューで、自然栽培の野菜をふんだんに使った五種類の惣菜に玄米ご飯(または天然酵母パン)、そして天然醸造味噌を使った味噌汁がつく。
惣菜の内容は日替わりで、その日に入った食材に応じてメニュー構成を考えるという。
「食べ終わったとき、満腹感だけではなく、『いいものを食べたな』という満足感も抱いていただけたら、こんなにうれしいことはありませんね」
とはマネジャーの小島一弘さん。ちなみにこの店では魚介類や肉類の料理も提供しているが、野菜同様、人工飼料や化学薬品などは一切使用していない。
「でも、いずれは自社経営の自然農園を作りたいと考えているんです」
その言葉が現実のものとなったとき、「究極の自然食レストラン」が完成するだろう。
◆ナチュラル・ハーモニー アンゴロ(東京都渋谷区神宮前三‐三八‐一二、パズル青山一階、電話03・3405・8393)営業時間=午前11時30分~午後2時30分、6時~11時/席数=二八席/一日食数=約五〇食
◆食材の決め手 (有)ナチュラル・ハーモニー本部(東京都世田谷区) 自然栽培野菜
生産性を重視するあまり、化学肥料や農薬の使用が恒常化している昨今の農作物とは一線を画し、ここでは土壌消毒や除草剤、化学肥料の類は使わず、太陽と大地と水の力だけで育った自然栽培の野菜を中心に使用する。
「いずれも個性の強い、野性味のある野菜ですが、これが実にうまいんです。スーパーで売っている野菜しか知らない人には、ぜひ食べていただきたいですね」と小島さん。