すかいらーく、05年12月期連結決算は減収減益

2006.04.03 312号 5面

(株)すかいらーく(東京都武蔵野市、電話0422・37・5209)の05年12月期連結決算(連結子会社12社)は、売上高3793億7800万円(前期比1・1%減)、経常利益185億1100万円(同6・4%減)、最終益66億8300万円(同8・9%減)と減収減益で着地した。「夢庵」がV字回復と健闘したものの、主力業態「ガスト」のモデルチェンジの出遅れで既存店売上高が伸び悩み、子会社ジョナサンの連結調整勘定償却と外形標準課税の計上を吸収できなかった。06年度はホールディング設立に向けて、横川竟CEO(M&Aを中心とする外部成長=戦略的道筋づくり)、伊東康孝COO(既存業態を中心とする内部成長=陣頭指揮)体制を確立し、攻めの経営で本格的拡大均衡への大転換の年とする。

06年12月期は、ガスト、夢庵、そして「バーミヤン」の3本の矢のモデル確立をテコに、売上高3910億円(前期比3%増)、経常利益230億円(同24%増)、最終益32億円(同52%減)と、増収とするも、利益面では減損会計を適用するため最終減益を見込む。

外食は、着実な景気回復を背景に価格重視型から品質重視型への変化が鮮明となり、大きな転換点を迎えている。業態別では地域別組織体制を構築した夢庵が既存店の1ヵ月当たりの平均日商は前年同月比21ヵ月連続超とV字回復して、利益も前期比50%増加した。「グラッチェガーデンズ」は、グリルメニューを中心にして男性客、ファミリー客を獲得した。

主力業態のガストは、プレミアムカフェ(高品質ドリンクバー)の導入、カフェをイメージしたオープンキッチンタイプ店舗へのリニューアルなどを行って、05年度の下期から前年同月比をプラスに転じている。新年度もプレミアムカフェを全店に拡大導入し、新店28店舗を含む148店舗をオープンキッチンタイプに店舗リニューアルを進め、グループの核の確立を急ぐ。

バーミヤンは堅調に推移しており、クイックサービスの「Sバーミヤン」フォーマットも固まり、今後の展開に期待している。ニラックスが展開する「ブッフェ」も好調だ。

しかし、ジョナサンの連結調整勘定償却4億6000万円、外形標準課税6億7900万円に加え、円を110円レートにしていたが、114円と円安に動いて3億円の負担増、原油高によるエネルギーコスト上昇で5億円、パートタイマーの時給前年比10円高による8億円に加えて、食肉の高止まりや野菜の高騰などが販売管理費を押し上げた。

期末の主要業態店舗数は、すかいらーくはガスト1034店舗、バーミヤン718店舗、夢庵313店舗、すかいらーく158店舗、グラッチェガーデンズ119店舗。子会社ではジョナサン363店舗、フロプレステージュ87店舗など。国内総店舗数は新規出店143店舗、前期比74店舗増の3213店舗。

タイ、台湾、韓国、アメリカの海外店舗数は222店舗。06年度は店舗開発部隊を強化、不動産ファンドの活用で新店200店舗で国内3349店舗、海外253店舗を目指す。

06年度の改革としては、ガストが行っていたデリバリー事業をカンパニーにして強化する。新パッケージの導入で損益分岐点を下げ、比較的人口の薄い地域に立地する店舗への展開拡大で都心部ではジョナサン含め340店舗で新規展開する。テレフォンセンター5ヵ所を3ヵ所に再編しコストを削減、現状の売上高150億円から170億円を目指す。

また、「小僧寿し本部」の株式取得(35億円)による本格的戦略はこれから。和風惣菜「八福」、洋惣菜のフロプレステージュとともにグループとしての惣菜構築は課題。

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