外食産業活性化への提言 松屋フーズ・瓦葺利夫社長

1994.01.17 44号 14面

まず私どもの出店状況から話しますと、九三年度は4月から12月までに首都圏に六店舗、関西圏に三店舗の計九店を直営で新規出店しました。この結果、12月末の店舗数は七九店となっております。

内訳は直営七一店、FC八店で、地域別では首都圏が七四店、関西圏が五店という出店数になります。長引く不況による消費低迷の中にあって、当社は既存店ベースでも客数、売上高ともに前年を上回っており、九三年度の売上高は一一〇億円と前年比約九%増を見込んでおります。

業界におきましては大半の企業が減収減益と苦戦を強いられているのですが、私どものようなFFスタイルの業態は元来が低価格で、インフレに強いレストランサービスですから、現下の消費不況の低価格志向にはマッチしているわけです。

「おいしい、早い、安い」はこの業態の最大の武器であるのですが、当社はこれに加え、メニューの豊富さと品質、サービスの面でもクオリティがあり、その面でも消費者に支持されているのです。

店舗の出店は首都圏の駅前や繁華街が中心ですが、最近は郊外での出店も活発化してきており、この分野でも成果を上げております。

客層は学生、ヤングサラリーマンのウエートが高いが、郊外店ではファミリーや女性層の利用も拡がっており、牛丼ニーズは強いと認識しているところです。

しかし、長引く消費の低迷はもとより、米価の値上がりの問題もありますから、収益力を高めコストを吸収していくために、諸経費の節減や生産性の向上などの努力を積み重ねていく考えでおります。

とくにアルバイト・パートなどの人員シフトを見直し、人時生産性を高めて人件費率を低下させるほか、消耗品類の仕入れ単価を引下げ、ムダを排除する‐‐というコスト意識を徹底します。

重要課題である店舗の出店については、不況下でかえって建築費・保証金・家賃が低下し出店が容易になってきておりますので、積極的に取り組んでいきたいと考えており、九四年度は新規に一五店舗程度を出店する方針でおります。

このほか、新年度の方針としましては、とくに不透明の経済環境に対応しては、「お客様第一主義」の経営理念の原点に返って、PSCの一層の向上に努め、顧客の満足度を高めていきたいと考えております。

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