気を吐くお好み焼き おたふく=あくまで肉玉主体

1994.02.07 45号 13面

海老原弘さんが脱サラで下北沢に故郷の味、広島名物お好み焼き屋「おたふく」を開業して一五年になる。以来一貫して伝統の味広島風の肉玉をメーンにしたメニューで押し通している。

一番人気のオールミックス‐写真‐は、一三〇〇円で、豚肉、イカ、エビ、タコ、シソの葉、これに、そばか、うどん半玉一〇〇円、一玉二〇〇円が加算される。

作り方は、粉と山芋を溶き一晩寝かした生地を鉄板の端にお玉ですくい薄く伸ばす。これにカツオの粉を振りかけ、キャベツのせん切りをできるだけたくさん盛り上げ、とろろ昆布、モヤシ、そして、前出のミックス具材とあげ玉を積み上げ、下地を流しかけ、クレープにこげ目をつけて返す。

この後強火で野菜を蒸しヘラで押したり、差し込んで空気を入れ、水分を飛ばす。かたわらでそばを焼き、これに薄くなった本体を乗せ、さらに別に玉子一個を割り落とし、クレープ状に焼いた上に本体を乗せ、ひっくり返す。ここで広島風には欠かせないオタフクソースの辛口をたっぷりかけ、ゴマ、青海苔のトッピング。ここまでの鮮やかなヘラさばきパフォーマンスは、一〇分である。

客層は、二〇代前後の女性が六~七割、それにカップルで占められるが、週末はファミリーがぐんと増える。

テーブル席とカウンター席を合わせ二〇席。回転率は、平日四~五回転、週末には倍になり、客単価一三〇〇~一八〇〇円、ドリンクを入れ二〇〇〇円前後。一日平均五〇食~八〇食を焼き、日曜日の多い時には一〇〇食焼くこともあるという。

「火のかたわらでの仕事は体力がいる。笑顔の残っている状態で仕事をしていきたい」というコンセプトから、営業時間は平日午後5時30分~10時、日・祝日午後5時~10時(冬は三〇分繰り下げての営業開始)と夜のみの営業。定休火曜日。

「常連客を積極的につくらないようにしている。一見さん、女性が気軽に安心して入れ、気持ちよく食べてもらう」と。広島地酒は置いてあるが、あくまでもメーンはお好み焼きであると強調する。

▽「おたふく」(東京都世田谷区北沢二‐二八‐七、℡03・3485・2947)▽営業時間‐(本文中)

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