ケータリングカー「スブラキハウス」ギリシャ風バーガー

1994.09.19 60号 2面

“スブラキ”とは、ギリシャ語で、シシカバブ、串に刺した肉の意。もともとアジア遊牧民族の食べ物だったが、インド、モンゴル、中近東、アフリカとそれぞれの国で根付き、庶民の味として親しまれている。

スブラキハウス(東京都世田谷区、03・3412・4668)は、オーナーの楠本正さんが、かつてヨーロッパ、アメリカを放浪の折、巡り合ったスブラキの味を、日本でも広めようと、昭和63年にオープンした。

ギリシャ風バーガー“スブラキ”のこだわりは、袋状のアラビック・パン(ピタ・パン)から始まる。粉は二、三等級が素朴な味わいがあるとして一等は使わない。

インドのナン、チャパティと同類のパンのため、窯の温度五〇〇℃という高温を要し、袋状にするため、試行錯誤の繰り返し。「いまだ、量が多くなるほどロスが出るパン屋泣かせのパン」だが、スブラキの味を引き立てるのは、ピタ・パンが一番という。一日平均三〇〇枚を委託生産している。

中に入れる具材は、ニュージーランド産のラム(小羊)を使い、これに塩、コショウ、ガーリックなどを混ぜ、シュラスコ風鉄棒に突き刺し、一本二〇〇食分にあたる一五キログラムの塊りになるよう成型する。味付けは、すべてギリシャの人気店のレシピに基づいたものを、業者に委託加工させている。

メニューは、肉とパンを基本に、チリ、スパイシー(辛)、ミックス(チリとスパイシーにそれぞれマヨネーズをミックス)二種の合計四種に絞り、すべて四〇〇円。人気アイテムは、圧倒的にマヨネーズ混りのミックス。

二台の車が販売する常設地点は、渋谷・明治通り宮下公園付近と青山通り子供の城劇場前。いずれも夕方4時から8時までの営業。客層は通行客から付近のビジネスマン、OLとなる。

「今では大分認知され、残業のビジネスマンや、わざわざ買いに来る人もいる」ようになったが、ケータリングカーでは、宣伝力にも限度があるため、「デパート、スーパー、また、イベント会場での出店をコンスタントに伸ばしたい」とする。

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