ラーメン新興チェーン「らーめんレストランチェーン・俵屋」地歩固め郊外へ

1994.12.19 66号 19面

今年8月で一〇周年を迎える、らーめんレストランチェーン「俵屋」(東京都新宿区、03・3341・5211)は、都心部オフィス街を中心に一五店舗を展開、安定した伸びを示している。

全店の月商は、小店舗六〇〇万円、大店舗で一一〇〇万円とバラつきはあるが、平均八〇〇万円といったところ。対前年比伸び率は九七~一一〇%と大きな飛躍はないが、堅実な伸びだ。

「商圏狭め、客層広めよう」をモットーに、都心部での商圏半径三〇〇mに置き、手堅く地元に食い込んでいる。

「ラーメン屋さんだから出前は当然あるでしょう」という客のニーズに応え、店内価格にプラス五〇円で配達をする。全店平均一七~三〇%が全売上げに対する出前の比率。

「はっきり言って出前は、効率が悪い。容器も大きく重い。回収という手間もかかるが、需要があるのでやっている」(岩崎哲夫専務取締役)と、エリア内客層に細かく対応している。

一店を残し一四店舗が直営店だけに、麺類は、全店同価格。アラカルトメニューのみ各店の個性を打ち出した価格、味を提供する柔軟性をもたせる。

麺は、ちりめんが細く、そのほかは乱切りで統一、つゆも開店当初と変わらず、「万人に好まれる東京風スープ、清淡スープで、塩味、薄い色づけ」で今に至る。

ボリュームもかなりなもので、「ちりめん」(五五〇円)は、六寸丼、麺一四〇g、そのほかは八寸丼、麺一六〇g。ヘルシーさを訴求し、開店当初から、全品にワカメを入れている。

10月オープンしたばかりの九段下店は、ランチタイムは長蛇の列。二〇坪、四二席の店舗だが、ランチ二五〇食を売り、昼と夜の比率は五五対四五とやや昼が多い。客単価夜二〇〇〇円ぐらい、昼七五〇~八〇〇円。

人気メニューは、「北海みそらーめん」(七〇〇円)。一〇〇gは使う太めのモヤシとコーン、すりおろしニンニクと豆板醤、ゴマ油で作られた秘伝のスパイスが、ぐっと味を引き立てる。

次が特製スープの醤油味「東京らーめん」(六五〇円)、その他「ちりめん」(五五〇円)、「メンマちりめん」(六五〇円)など一一アイテムがある。

今後の出店計画として、新橋店を予定し、都心部から郊外へは「今の約三八〇〇食から一万食を超えれば、スケールメリットが生かせる」とし、出店も考えているという。

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