厨房のウラ側チェック(66)店舗衛生管理としてのネズミと衛生害虫(4)
飲食店に見られるゴキブリは、チャバネゴキブリが主体であります。チャバネゴキブリは、アフリカ原産の体長一〇~一五センチメートル程度、体色黄褐色、分布では日本全国に広がっております。このチャバネゴキブリを飲食店で見かけますと、お客様は不快、不潔感を認識します。
では、飲食店のホールでゴキブリを見かける状態のゴキブリ指数は、1から3程度が目安となります。ゴキブリ指数は、ゴキブリの維持管理基準の調査法として使用されています。方法は市販のゴキブリ用粘着板を数ヵ所に二~三日間設置します。捕れたゴキブリの合計を設置枚数と設置日数で割り、一日一枚当たりの捕獲数をゴキブリ指数といいます。
この時に注意することは、粘着板の捕獲場所の選定と設置日数の期間設定です。ゴキブリの生息状態を把握できる場所、暗くて、暖かくて、水のある場所、それはコールドテーブル、製氷器、包丁保管箱、ホットボックス、いけす、酒燗器などが当てはまります。また、設置期間は目視による生息状況によりますが、二~三日程度が適当であろうと思います。あまり長いと捕獲ゴキブリの卵鞘から幼虫が孵化することがありますので注意いたしましょう。
駆除法としては、くん煙法のペルメトリンやジクロルボス、毒餌法のホウ酸やヒドラメチルノン、直接噴霧のピレスロイド剤、残留噴霧のスミチオン、ザーテルおよびダイアジノンMC剤などの薬剤が良いでしょう。しかし、駆除を独自で実行する時は、基本に忠実に施工して下さい。できることなら信用のおける業者に依頼するのが良いと思われます(前号のその3を参照)。
次に、ゴキブリと同様に不快害虫であるハエについて述べてみます。ハエは飛翔性昆虫類の中心になっている昆虫で、コバエ類の小さなハエでは、チョウバエ、ミバエ、ショウジョウバエなどがあげられます。大型のハエでは、イエバエ、クロバエ、キンバエ、ニクバエなどが重要となります。
維持管理基準では、屋内での数がコバエなどで五匹以下であり、大型のハエでは飛翔する成虫数が二匹以下であることとなっています。これはアンケート調査の結果などから気になる匹数と考えられています。しかし、ハエは種類により発生場所が異なり、習性も違います。特に、屋内では飛翔匹数がわずかでも目立ってきてしまいます。
食品衛生コンサルタント
藤 洋