お店招待席 レストラン「元気亭」 こだわり食材使う健康情報発信基地
自社農園で収穫された無農薬、有機栽培野菜を中心としたこだわりの食材を使用し、健康情報発信基地として話題を呼んでいるのがレストラン「元氣亭」。東京の両国駅に程近い立地にあるが、遠くからの利用者で賑わっている。
経営母体である(株)玄米酵素(札幌市北区、011・736・2345)は、岩崎輝明社長自らの体験から、玄米自然食による治癒力を知り、二六年間「食事で真の健康」を提唱し続け、啓蒙普及に努めてきた。
一昨年8月、健康情報発信基地として、全国展開する第一歩として、国の中心にある東京に総合健康ビル「エコロ」を建設。
ビル内各階が互いに連動して食の情報を発信し、一階は北海道の自営農園からの収穫物をはじめ「健康は正しい食生活から」に則ったこだわりの食材を販売している。
二階が、安心、安全、ヘルシーをコンセプトに、日本古来からの伝統料理を提供するレストラン。三階は、七人の専門栄養士指導によるクッキングスクール。四階が健康講座、コンサートなど多目的用途のエコロホール。五階が東洋医学、自然療法を主体にしたクリニック。
レストラン元氣亭は「グルメ志向に慣らされた人々に、感動を与える料理を提案したい」(岩崎輝明社長)として、忘れられつつある日本の伝統食を提供する。
食事は、基本姿勢として動物性のものは使用しないが、一物全体食の原則に沿う範囲内で卵、小魚、貝類を使う。
こだわりの食材は、原則として北海道の直営農場で収穫される無農薬有機栽培による野菜を中心に、魚介類は天然物、調味料も一階の元氣倶楽部から調達する。
メニューは、鍋料理を中心とした各地の郷土料理を自然食で食べる「日本の伝統食」、一切の動物性の物は使用しない「食養料理」、肉類を禁じ、魚介類と野菜類を中心とした「自然食料理」を柱とし、それぞれに合わせた食材を使う。
ランチタイムは、買い物がてらに寄る主婦、近隣オフィス街のOL、ビジネスマンで賑わう。
メニューは、氣楽弁当八八〇円、まどか弁当一二〇〇円、玄米雑炊九〇〇円、焼おにぎりセット五五〇円のほか、味噌煮うどん(かき揚げ、ご飯付き)九〇〇円などがある。
ご飯は玄米と三分づきの二種で、すべてお代わり自由。しかも残したご飯は、おにぎりにして持って帰ることができるのも、収穫物に対する感謝の表れだ。
夜はコース料理が中心で、三〇〇〇円、五〇〇〇円、七〇〇〇円の三コース。予約制をとる。
手作り料理のほか、タンポポコーヒー一五〇円、ワイン風・野草酒、自然農法のオーガニックビール、各地の地酒も置き、自然食レストランに見られる堅さを感じさせない。
「自然食料理を楽しく、おいしく食べる」提案を、今後どう演出し、メニューに反映させるか楽しみだ。
「まどか弁当」(1200円)=玄米ごはん、味噌汁、香の物に、メザシ、カボチャとヒジキにカボチャスープがけ、豆乳と青海苔の寒天寄せ、そば団子の野菜あんかけ、椎茸とハスの含め煮ユズ味噌がけなど7品が付く。玄米ごはんはごまを振り掛けて食す
「元氣亭」
〈創業〉平成6年
〈所在地〉東京都墨田区両国三‐二四‐一〇、Tel03・3632・5533
〈営業時間〉午前11時30分~午後2時、午後5時~9時、日曜・祝祭日定休
〈店舗面積・席数〉三五坪、四〇席
〈従業員数〉正社員三人、アルバイト七人
〈客単価〉昼一〇〇〇円、夜三〇〇〇~四〇〇〇円
〈一日来店客数〉昼四〇人、夜二〇~三〇人
〈客層〉二〇代~五〇代と幅広く、最近は男性客が増えつつある
玄米酵素を愛用するようになり、同じ仲間の輪が広がり、週二回はグループを替えて通ってしまうという白根せつ子さん。
エコロでのセミナーの後、元氣亭で食事をするようになり「改めて玄米のおいしさを知り、また食材についても関心を持つようになった」という。
来店ごとに知り得た料理についても「知っているようで知らないことが多い。料理長さんにも、どんどん聞いています」。
お客とのコミュニケーションを強めることで、体に良い食べ物を考える層を確実に広げていく。
元気がおしゃれの三人の主婦も、口を揃えて「若い人の間でも、健康に関心を持つ人が多くなり頼もしく思うが、まだまだ体を考えたレストランも少なく、食材入手も身近にないのが残念」という。
玄米酵素が縁で知り合い、週二回は来てしまうという白根せつ子さん、蒲池郁子さん、中村直美さん(右から)