メニュートレンド:逆転の発想で新たな定番に 立呑み龍馬「串揚げカレー」

2016.08.01 449号 15面
「串揚げカレー」390円(税込み) カップで提供されるカレーは量もたっぷと入っている。エビなど別の串揚げとあわせても食が進む

「串揚げカレー」390円(税込み) カップで提供されるカレーは量もたっぷと入っている。エビなど別の串揚げとあわせても食が進む

テーブルにカレーがあることで、ビールの消費も加速する

テーブルにカレーがあることで、ビールの消費も加速する

 カツカレーに代表されるように、カレーと揚げ物の相性はバツグンだ。しかし、カレーを主役としたものは数多いが、揚げ物をメーンにしたカレーソースとのコンビネーションというのは、意外にもまだ発掘されていなかった。そんな盲点をついたメニューが、新宿歌舞伎町の串揚げ居酒屋「立呑み龍馬」の「串揚げカレー」だ。約束されたおいしさのカレーと揚げ物のあわせ技で多くのリピーターを獲得している。

 ●リピーター心つかむ和風ソース カレーで主役の揚げ物引き立つ

 東京は新宿・歌舞伎町でリーズナブルな串揚げをメーンに、常連客から一見客を問わず人気を集める「立呑み龍馬」。その中でも夏季限定で販売し、リピーターを急増させているのが「串揚げカレー」(390円)。和風のカレーソースに、看板メニューである豚肉・ジャガ芋・玉ネギの串揚げを浸したセットメニューだ。

 カレーうどんのだしにも近い、和風だしの香るカレーソースと串揚げは、驚きの相性の良さ。もともとセットの串揚げ3品は、カレーの具材としてポピュラーでもあるから、味の親和性は想像以上だ。さらに、串揚げ3品をそれぞれ単品で頼むと、(豚肉150円・玉ネギ、ジャガ芋・各90円)で合計330円。ここに60円を足した390円でカレーソースとミニトマトが付いてくるという値打ち感もあって、常連ほどこの味にはまっている。

 1日に用意できる分量は約25~30人前ほどだが、ほぼ毎日20~30人前の注文が入り、ソースが無くなり完売するのが普通だ。一番人気の「玉ねぎ串揚げ」の日販60~70本と比べてもその人気ぶりがうかがえる。

 開発のきっかけは、「カレー店でカレーと揚げ物の組み合わせは当たり前にあるのだから、串揚げを主役にカレーソースと合わせてみても間違いなくおいしいだろう」(藤澤佑太店長)という逆転の発想から。ソースは、白だしを水で5倍希釈したものと、スパイシーなカレーソースとを4対6であわせたものを使用。主役の串揚げに絡む、ちょうど良い粘度のスープを目指して調整を加えた。また、カレーの辛さと、和風だしのコクの両方を味わえるソースは、ビールにも酎ハイにも合う味わいで、夏場の飲酒にも好適な仕上がりになっている。

 ソースはカップに入れられて提供されるが、残ったソースに別に注文した串揚げを付けて食べたり、カップでそのまま飲み干す客も多い。串揚げを揚げ物用のソースに付けてからカレーに付けて食べる客もおり、客が自在に味の変化を楽しんでいる。また、客からの要望で、追い足し用の「カレーソース」(100円)も単品で登場するなどカレーソースの人気は高まるばかりだ。

 ありそうでなかった、串揚げにカレーの組み合わせはこれから鉄板メニューになっていく可能性がありそうだ。まるで、カレーに揚げ物の組み合わせで全国に広がった「カレーハウス CoCo壱番屋」の再来を思わせるメニューの登場だ。

 ●店舗情報

 「立呑み龍馬」 所在地=東京都新宿区歌舞伎町1―17―13 J1ビル1階/開業=2005年6月/営業時間=午後3時~午後11時(LO同)元旦のみ休み/坪数・席数=18坪・40席/1日平均客数=約130人/平均客単価=1500円

 ●愛用資材・食材

 「特製カレーソース」 ヱスビー食品(東京都中央区)

 大人の辛さでビールが進む

 カレーソースを作り出すときに、さまざまな商品を試して行き着いたのが、ヱスビー食品の「特製カレーソース」だ。その理由を、「求めていた、大人の辛さを持ったカレーだったからです」と藤澤店長は語る。立飲み屋である同店にとって、ビールの進むちょうど良い辛さは何よりも重要なポイント。和風カレーソースのまろやかさの中にも残るスパイシーさを、同品が支えている。

 規格=3kg

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