多忙でも読める外食ニュース

2019.05.06 483号 04面

 ●串カツ田中が初の郊外店舗を出店

 串カツ田中ホールディングスが、群馬県前橋市に「串カツ田中」のロードサイド型店舗を出店。同市の生活幹線道路に面した独立店舗で席数120席、駐車場35台を設ける。ファミリー客をターゲットに釜飯などの食事メニューを充実させ、個室や座敷などファミリー向けの客席も用意した。メニュー商品の中食利用も想定し、平日は店舗を15時からオープンさせる点も特徴だ。居酒屋だけではなくファミリーレストランとして利用されることを狙っている。

 解説=同社は、同店を次世代型店舗のテスト店として位置付けている。成功すれば出店可能立地は大幅に広がるだろう。課題となるのは、飲酒客が交通事故を起こすといったトラブルのリスクをどれだけ回避できるか。

 ●木曽路、東京・人形町に飲酒系の新業態

 木曽路が、新業態の酒場「大穴」(だいあな)を東京都中央区の人形町に出店。「穴子・串焼き・寿司」をテーマにした飲酒業態。古典酒場風の内外装で、コの字カウンターとテーブル席、宴会用の個室を合わせて160席という大型店だ。穴子のさまざまな部位を串焼きで提供するほか、煮穴子、天ぷら、酢の物といった料理にも展開し、一尾の穴子をまるまるメニュー化しているのが特徴。寿司は1貫100円から提供する。女性客や子ども連れの客層を意識して、喫煙ブースを設置し全席禁煙を実現している。

 解説=同社は、しゃぶしゃぶと日本料理のレストラン「木曽路」が主力ブランドだが、飲酒業態の拡大も視野に入れているようだ。近年、食事系チェーンと居酒屋系チェーンの双方が互いに業態の垣根を乗り越えようとする傾向が続いている。

 ●「フーターズ」運営企業民事再生法の適用申請

 米国のカジュアルダイニング&スポーツバー「フーターズ」を日本で運営するエッチジェーが、東京地裁へ民事再生法の適用を申請したと報じられた。同店は1983年に米国フロリダで誕生し、米国内外に約430店舗を展開する。日本では2010年、赤坂に1号店をオープンしてから17年までに名古屋や大阪など7店舗を出店したが、今年になって福岡店は閉店。チアリーダー風のユニフォームに身を包んだ女性スタッフが接客するという独自のスタイルで、日本でも話題を集めていた。

 解説=帝国データバンクなどによると、同社の負債は約5億6千万円。ピーク時には17億円以上の売上げがあったというが、昨年は1億円以上減少していたようだ。すでに新たなスポンサーが付き、店舗の営業はそのまま継続している。

 ●「さくら水産」が「梅の花」子会社に

 和食の「梅の花」などを展開する梅の花が、居酒屋「さくら水産」などを運営するテラケンの株式を取得し、子会社化すると発表。テラケンは1980年の創業。95年に海産物メニューを売りにした「さくら水産」を出店し、低価格居酒屋として拡大したが次第に業績が低迷、2015年に事業再生ファンドであるアスパラントグループの資本参加で再建を行っていた。今回、梅の花は同ファンドが保有する全株式を取得した。梅の花は和食業態のほか、テイクアウト業態など291店を擁し、さらにポートフォリオを拡大させる。

 解説=テラケンは、「さくら水産」を中心にピーク時には150店舗以上を展開していたが、現在は約40店舗まで縮小。創業者の寺田謙二氏は、居酒屋「村さ来」のフランチャイズからスタートし、大型の大衆居酒屋チェーンの草分け的存在だった。

 ●幸楽苑HD「焼肉ライク」FC店出店

 ラーメンの「幸楽苑」を展開する幸楽苑ホールディングスは、ダイニングイノベーションの焼肉ファストフード業態「焼肉ライク」の郊外型店舗を千葉県松戸市にあった幸楽苑を改装して出店。同店は、両社が同ブランドのフランチャイズ契約を締結してから初の店舗であり、また同ブランドとして初めての郊外モデル店舗となる。オープニングセレモニーでは両社の社長、会長のほか、芸能人も参列して華やかに行われた。「焼肉ライク」ブランドは現在、東京都内に3店舗を出店している。

 解説=「伝説のすた丼屋」などを展開するアントワークスや各社の唐揚げ専門店など、郊外店舗の出店を志向する肉系チェーンは多い。近年の肉ブームがどこまで継続するか、その見極めが今後の成否を分けるのかも知れない。

 ●道とん堀が新業態均一価格居酒屋

 お好み焼チェーン「道とん堀」を展開する道とん堀が、東京・立川に新業態のお好み焼き酒場「とり玉天国」を出店。お好み焼きなどの鉄板焼きメニュー約120品が、税抜き280円均一という鉄板焼き業態だ。

 ●「シズラー」がアジア最大の新店舗を出店

 ロイヤルグループのアールアンドケーフードサービスは、東京・有楽町の「東京国際フォーラム」内に「シズラー」の新店舗を出店。同グループの別会社が運営していた店舗を業態転換したもので、同ブランドではアジア最大となる210席の大型店だ。

 ●麦の穂が飲酒できる複合型新業態

 シュークリーム店「ビアードパパ」など展開する麦の穂が、飲酒のできる新業態の飲食店「カタトソデ」を東京・新橋に出店。「酒場」「おにぎり」「うどん」という三つのカテゴリーを1店舗にまとめ、飲酒とうどんはイートイン、おむすびはテイクアウトで、それぞれブランド化した。

 ●カフェやFFSで値上げ傾向

 カフェやファストフードで、じわじわと値上げ傾向が広がる。タリーズコーヒーはコーヒーなどを10~20円値上げ。マクドナルドはバリューランチの幅を広げると同時に、「ダブルチーズバーガー」「てりやきマックバーガー」などの単品価格を10円値上げした。

 ●すかいらーく秋から全店禁煙に

 すかいらーくホールディングスが、今年の9月1日からグループ全店で敷地内禁煙を実施すると発表。店舗で喫煙席を設けている場合は禁煙席に、喫煙ブースはキッズルームやベビールームに改装する計画であるという。また、従業員も勤務時間中は全面禁煙とする。

 ●JCコムサ、東京にグリル新業態

 外食向けの食材製造販売などを行うジェーシー・コムサは、北海道で運営する人気レストラン「ハーベスター八雲」の姉妹店「グリルハーベスター」を東京・大崎にオープン。山形県の米沢牛や岩手県の岩中豚など、食材にこだわったグリル料理と窯焼きピザを提供する。

 ●ヤンマーが期間限定の飲食店

 農業機械メーカーのヤンマーが、同社の東京支社ビル跡地でビアテラス&ベーカリーカフェ「THE FARM TOKYO」を期間限定でオープン。同社は農業機械を通じて食料生産に関わってきた。営業は10月末まで、夜のバーベキューは全席予約制となる。

 ●クリスプ、カスタムピザの新業態

 カスタムチョップドサラダ専門店「クリスプ・サラダワークス」を展開するクリスプが、カスタムピザの「アール・ピザ」を東京・港区の六本木ヒルズに出店。4種類のソースと約30種類のトッピングからピザを注文する。約2分で焼き上がり、テイクアウトも可能。

 ●大手アパレル企業がドーナツ専門店開業

 若い女性に人気のファッションブランド「アースミュージック&エコロジー」などを展開するストライプインターナショナルが、新業態としてドーナツ専門店「コエ ドーナツ」を京都市中京区にオープン。「koe(コエ)」は同社が展開するライフスタイルブランドの一つ。

 ●「D&D」が大学の学食プロデュース

 食品の小売とカフェ業態「ディーンアンドデルーカ」を展開するウェルカムは、東京音楽大学が中目黒・代官山キャンパス内に設置した学食「TCM 学生と街のレストラン」をプロデュースした。同社が学食のプロデュースを行うのは初めて。同時に、同ブランドのカフェも併設してオープン。

 編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)

 http://www.eatworks.com/

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