惣菜弁当研究所:クックチャム 手作り出来たて惣菜弁当各種

2019.08.05 486号 07面
「彩り野菜の八宝菜」

「彩り野菜の八宝菜」

「さばの味噌煮」

「さばの味噌煮」

「シャケ弁当」

「シャケ弁当」

「シャケ明太子のせのせ弁当」

「シャケ明太子のせのせ弁当」

「海老フライ弁当」

「海老フライ弁当」

小容器を手に取り好きな料理を好きな量だけ買える

小容器を手に取り好きな料理を好きな量だけ買える

北海道産ジャガイモに国産牛肉のうま味がジュワーっと染み込んだ「じっくり煮込んだ牛肉コロッケ」(税抜き130円)

北海道産ジャガイモに国産牛肉のうま味がジュワーっと染み込んだ「じっくり煮込んだ牛肉コロッケ」(税抜き130円)

開店の午前10時半に合わせて商品を陳列。開店前に客が並び始める

開店の午前10時半に合わせて商品を陳列。開店前に客が並び始める

住宅街の県道沿いに立地する独立店舗の道後石手店

住宅街の県道沿いに立地する独立店舗の道後石手店

 ◇日替わり100品以上を店内調理 お母さんの役割を担う地域の台所

 愛媛県新居浜市を拠点にグループ79店舗を展開する「クック・チャム」は、量り売り惣菜店の草分け。作りたての店内調理、日替わり料理の充実、野菜豊富なヘルシーメニューを売りに、女性を主とする地域住民から強い支持を得ている。中食市場の台頭に先駆け、食材加工、自社農園、就労支援を手掛けるなど、惣菜店から多角経営への発展も著しい。

 ●商品発祥:家庭料理の代行を担う

 1947年、新居浜市で精肉店「大平屋」を創業。同店に嫁いだ現社長の藤田敏子氏が「手作り出来たて惣菜弁当」の販売を開始。「出来合いは手抜き」と揶揄(やゆ)される時代にありながら、女性の社会進出を後押しする家庭料理の代行を担い、着実に業績を拡大した。「お母さんたちの役に立ちたい」という決意の節目として79年、惣菜専門「クック・チャム」1号店を新居浜市に出店した。98年、自社工場を竣工し、FC事業にも乗り出すなど出店を加速。現在、持ち株会社(株)クック・チャム以下、グループ7社・79店舗を経営。

 ●調理概要:女性の感性を生かす

 「おかずや日本のお母さん」を掲げ、当日の店内調理と無添加の手作りを原則に、日替わりメニュー100~120品を提供。従業員は97%が女性。女性の感性を生かしたメニュー開発と接客サービスを行い、地域に貢献する家庭の台所を目指している。

 こだわりの題目は四つある。(1)味=だし、季節素材、伝統を尊重し、懐かしい味を再現することで、おいしい幸せを演出(2)日替わり=家族のために毎日献立を変えるのと同じ気持ちで日替わりメニューを用意(3)安全=正直と誠実を第一に、おいしい料理を提供し続ける(4)店舗=惣菜と一緒に元気を持ち帰ってもらえるよう、地域のお母さん役を担う。

 ●販売実績:起業の手腕に高評価

 グループ7社・79店舗の合計年商は約65億円。本ページで紹介している道後石手店の場合、午前10時30分~午後8時の営業(日曜定休)で1日平均客数・約300人、客単価・約1100円。藤田社長は、女性の感性や目線による取り組みが評価され、2002年「第1回・女性起業家大賞最優秀賞」(主催:全国商工会議所女性会連合会)を受賞。

 ●ポイント:チョイ買いが楽しい

 大皿で陳列される量り売り料理は、個々の価格が100g換算で表記されており、ビュッフェ形式にありがちな価格一律換算とは異なる。それだけに料理の手間もバラエティーに富み、日替わり料理の魅力も一層増す。小容器を用いて「好きな料理を好きな量だけ買える楽しみ」も人気の決め手だ。一方、弁当も副菜が毎日異なるため、飽きずに毎日買い続けることができる。

 ●店舗概要「クック・チャム」

 経営:(株)クック・チャム

 所在地:本社・愛媛県新居浜市新須賀町2-6-16

 ※取材:2018年7月の状況です

 ●「彩り野菜の八宝菜」 税抜き240円/100g

 購入後のアレンジは自在

 低温低速で炒めているため、野菜の細胞を壊さず、うま味と水分を逃さず、素材の彩りも抜群。ご飯にかければ中華丼、揚げ麺にかければ長崎皿うどん。購入後のアレンジも自在。

 ●「さばの味噌煮」 税抜き240円/1切れ

 じっくりとふっくら仕上げ

 ポテトサラダと双璧を成す看板商品。国産大豆と国産はだか麦を100%使用した新居浜市の「岡部の麦味噌」を使用。鍋でじっくり、落とし蓋でふっくらと煮込んだ地元の味わい。

 ●「シャケ弁当」 税抜き575円/約479g

 見ないで買っても安心

 弁当の一番人気。サケ以外の副菜は、すべて日替わりで、ご飯も数種類から選べる。毎日食べ続けている客も珍しくなく、中身をよく見ないで買っても、後悔することはない。

 ●「シャケ明太子のせのせ弁当」 税抜き450円/約355g

 日替わりへの思いを実感

 サケと明太子が主役のはずだが、盛り付けの位置は対極の隅っこ。日替わりの副菜が堂々とメインの位置にある。自慢の「日替わり」への思い入れを熱く感じさせる逸品だ。

 ●「海老フライ弁当」 税抜き553円/約448g

 「シャケ弁当」に次ぐ人気弁当。たっぷりのタルタルソースは卵焼きにもマッチ。副菜一品一品の完成度も秀逸。

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