食物販から学ぶメニュー開発のヒント:「無印良品」の本格派レトルトカレー
◇発売から10年、「無印良品」の人気をけん引する本格派レトルトカレー
世界で初めて販売された市販用のレトルトカレーは、大塚食品の「ボンカレー」なのだそうだ。確かに、筆者のような世代にとってはレトルトカレーといえば「ボンカレー」なのだが、今若い人たちはどうなのだろう。
「無印良品」の「素材を活かしたカレー バターチキン」は、2009年に「レトルト バターチキンカレー」として発売された。当初から人気商品だったが、12年には化学調味料や合成着色料の使用を取りやめてリニューアル。その後、14年、16年、19年と全4回のリニューアルを行い、商品のクオリティーを高めている。(もっとも、19年2月のリニューアルは従来の顧客の一部には不評だったようで、数ヵ月後の6月に、発売10周年記念という名目で初代「バターチキンカレー」の復刻版を数量限定で発売しているのだが)
直近の結果はともかく、このカレーは「無印良品」の中でも非常に人気の高い商品として有名だ。同社が発表する人気商品ランキングでは、食品部門で何年もレトルトカレーが1位を取り続けているし、17年の年間販売数量ベースでは、非食品を含めた全商品の中で「バターチキン」が断トツのトップだったと某メディアが報じている。
この連載は「食物販」がテーマであり、原則としては「購入して、そのまますぐに食べられる食品」がその対象だ。従って、加熱やご飯が必要なレトルトカレーというのは本来対象外なのだが、今回あえて取り上げたのは、カレーが外食にとっても重要なメニューの一つだからだ。レトルトカレー市場全体の売上げ規模も、少しずつだが増加傾向にあるという。外食のカレーは、レトルトカレーとどのように戦うべきかについても、真剣に考えた方がよいのではないだろうか。
(入江直之)
●「素材を活かしたカレーバターチキン」
価格:350円(180g/1人前・税込み)※サイズ違い商品もあり
店名:「無印良品」 各店 所在地:全国
編集協力:株式会社イートワークス
http://www.eatworks.com/