愛用食材と調理技術:三木食品工業「うすあげ」 巾着きつねに欠かせぬ品
●油揚げに合うだしで調理
油揚げの中にうどんが入った斬新な姿が評判を呼ぶ、「麺闘庵」の「巾着きつね」。最高で1日300食を売り上げたという大人気商品だ。
この商品で欠かせない食材が、巾着のベースになる「うすあげ」だ。商品の登場から10年以上になる同店では、以前は個人店の商品を愛用していたとか。しかし、その店が閉店するという窮地に陥り、新たな仕入れ先を探して導入したのが同品という。
「巾着にして調理するには、生地の厚みや強さ、揚げ加減などがポイントになる。特注品のような満足度は望めないが、コストや安定供給の面でも納得できる商品」と、津保井勇店主。
「先に炊いた油揚げに詰めても美しい形にならない」と、油揚げには下処理を施さず、口を開けた状態で用意。オーダーを受けたら、湯がいたうどんを入れて巾着にする。だしに入れて、色を見ながら2分ほど炊き、油抜きとともに味を入れる。器に移し、新たなだしを注げば完成だ。
同店では、水出しでとる自家製だしを2種類用意。巾着きつね用には、鰹節と昆布に醤油を多めに配合した濃いめのだしを考案し、油揚げに合う味を追求している。
●「うすあげ」 三木食品工業(奈良県大和郡山市)
規格=約10cm×15cm
●店舗情報
「麺闘庵」 所在地=奈良県奈良市橋本町30-1