海外通信 外食ビジネスの新発想(73)アメリカの定番中国料理をヴィーガンで

2024.02.05 540号 10面
店内に入ってすぐのカウンターには料理が並ぶ

店内に入ってすぐのカウンターには料理が並ぶ

オレンジ色が鮮やかな店先

オレンジ色が鮮やかな店先

2台あるキオスクかカウンターで注文する

2台あるキオスクかカウンターで注文する

店内のイートイン・スペース

店内のイートイン・スペース

テリヤキ・ポテト&赤・緑ピーマン、麻婆豆腐、チャーハン、焼そばのコンボ(13$75¢)

テリヤキ・ポテト&赤・緑ピーマン、麻婆豆腐、チャーハン、焼そばのコンボ(13$75¢)

黒コショウステーキ、麻婆豆腐、チャーハン、焼そばのランチコンボ(13$75¢)

黒コショウステーキ、麻婆豆腐、チャーハン、焼そばのランチコンボ(13$75¢)

アメリカの中国料理の定番、オレンジ・チキンのランチコンボ(10$75¢)

アメリカの中国料理の定番、オレンジ・チキンのランチコンボ(10$75¢)

テイクアウト用の紙袋。生分解性プラスチック素材を使ったナイフ、フォーク類

テイクアウト用の紙袋。生分解性プラスチック素材を使ったナイフ、フォーク類

 ●植物ベースのアジアン料理

 アメリカ人の肉離れ、ベジタリアン志向は、ついに中国料理にまで及んだ。ベジタリアンでなくとも、健康志向の人々は、機会があればベジタリアンの選択をすることが多い。オープンしたばかりの「オレンジ・オレンジ」は、おなじみのアメリカ風中国料理のオレンジ・チキンや焼そばのほか、タイのパッタイ、日本のカレーなどを、植物ベースの肉を使って提供するヘルシーなアジアン料理店だ。

 客のために選択肢を広めたおかげで、同店のメニュー選択の仕方は、慣れないと少々わかりにくいが、注文方法には、マイ・コンボ、シグネチャー・コンボ、単品、ランチタイム・スペシャルの4通りがある。

 自分好みの食材を選び取ってマイ・コンボを構築する方法(14$)は、まずは、ベースを白米のご飯、焼そば(+3$)、紫米のご飯(+1$)、チャーハン(+2$)から選ぶ。次に、メインとなる具材を5つ、豆腐、ヒヨコ豆、ブロッコリー、ズッキーニ、カボチャ、椎茸、アスパラガス、植物ベースのチキン(+1$)、植物ベースのステーキ(+1$50¢)など19の選択肢から選ぶ。最後に、好みのソースを、テリヤキ、タイ・レッドカレー、日本のカレー、コチジャン、黒コショウなど7つのソースの中から選ぶ。

 あるいは、選択する必要のないシグネチャー・コンボも用意している。こちらは、オレンジ・チキンのコンボ(15$74¢)、黒コショウステーキのコンボ(16$50¢)、タイ風レッドカレーのコンボ(15$75¢)など選ぶメイン料理によって値段はさまざま。

 平日のランチタイム(11時30分~14時30分)には、メイン1種のボウル(10$75¢)、メイン2種のレギュラー(13$75¢)、メイン3種のプレミアム(16$75¢)をリーズナブルに提供。

 メインの選択肢は、麻婆豆腐、オレンジ・チキン、黒コショウステーキ、タイ風チキンカレー、ミックスベジタブルのフライなど9種類ある。これらのメインは単品でも提供しているが、ほかにもチャーハン(11$50¢)、カレーパイナップルチャーハン(13$25¢)、野菜焼そば(13$25¢)、野菜パッタイ(13$75¢)などの単品メニューがある。

 同店では、テイクアウトの器やフォーク、ナイフもすべて生分解性素材を使っており、プラスチック類は一切使用していない。

 植物ベースの肉が広まり、一つの選択肢として定着した今、おなじみのアジアン料理をベジタリアンで提供する同店の意気込みは、どこまで受け入れられるか。アメリカ人の中国料理のイメージは、ヘルシーというよりも、量が多くてリーズナブルというのが一般的だ。まだオープンしたばかりの同店の行方は、アメリカ人の今後の食志向の試金石にもなり得る。

 ●店舗情報

 オレンジ・オレンジ(Orange Orange)

 所在地=70 Lexington Ave New York New York

 開店=2023年11月

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