2026年3月度、外食動向調査 フードコンサルティング

2026.06.01 568号 05面

●52ヵ月連続で昨対増収を達成

日本フードサービス協会が発表した外食産業市場動向調査によると、2026年3月度売上は、前年同月比105.7%となり、52ヵ月連続の増加を記録した。

3月は、全国的に気温が上昇し好天に恵まれた日が多く、後半のお花見需要、春休み、歓送迎会などのイベント需要やインバウンド需要も取り込んだ一方、物価高による消費者の節約志向で客数が伸び悩む業態もあり、期間限定商品の投入やお得キャンペーンの実施、CM・メディア露出等を強化することで、客数・客単価の維持に努めたことから、客数は前年同月比2.8%増、客単価も2.9%増となった。

業態別では、前年対比を下回った業態は9月36業態から10月24業態、11月と12月は14業態、1月13業態と落ち着いていたものの、2月27業態、3月26業態となり増加傾向が続いている。

●「イラン戦争」の影響と対応策

連日ニュースで取り上げられているように、イラン戦争の終結と、戦争の影響からくる物流の混乱、物価高への影響が収まる気配がない。国際情勢を本紙面上で論じるものではないのだが、外食業界以外の企業幹部と話しても、この混乱状態の解消は、少なくとも年末まではかかるだろうと言われている。

このような想定外の事態ではあるが、すぐにでも取り掛かれて負担が少ない対応策をまとめた。

(1)IT補助金活用による固定費削減と人手不足対応

光熱費や材料費の負担増と人手不足を、店内の省人化(人件費削減)によって相殺する動きが広がっている。

◎セルフレジやセルフオーダーの導入

政府の「IT導入補助金(最大450万円、補助率2分の1から~5分の4)」などを活用し、注文と会計を自動化。

◎事例

ある飲食店では、初期費用150万円に対し、補助金を活用して実質自己負担50万円でシステムを導入。これによりホールスタッフ1名分の稼働(時給1300円×125時間=月間16万円の人件費)を削減し、高騰した電気代・ガソリン代の増加分をほぼ相殺することに成功。

(2)会社の福利厚生制度に沿った提案

物価高で一般家庭の可処分所得が減るなか、「会社の福利厚生」を使って外食してもらうアプローチが注目されています。

◎食事補助サービス(チケットレストラン等)の導入、連携

2026年4月1日の改正所得税法施行により、食事補助の非課税上限が「月額3500円」から、「月額7500円(税別)」へと倍増(42年ぶりの改正)された。企業側は税負担なしで従業員の実質手取りを増やせるため、この制度を導入する企業が急増している。

◎事例

「ほっともっと」、「やよい軒」などは、この法改正に合わせて電子食事カード「チケットレストラン」の導入を全国規模で一斉に開始。「会社の補助(非課税)が出るならランチで飲食店に行こう」というサラリーマン層の需要を確実に囲い込む、強力な客数維持対策となっている。

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