アポなし!新業態チェック(226)「挽きたて和牛 ザ・メンチ」大宮店
●「串カツ田中」系列のメンチカツ新業態 店内で仕込んだ和牛100% メンチカツ定食1種類で勝負
串カツ田中ホールディングスは3月、ユニシアホールディングスに社名を変更したが、その直前の2月初旬、メンチカツの新業態「挽きたて和牛 ザ・メンチ」を埼玉・大宮に出店した。同店は、店内で挽き肉にした和牛100%のメンチカツを揚げたてで提供するという新ブランド。店舗は大宮駅から少し離れた路面店で、オープンキッチンとカウンター席、テーブル席のあるカジュアルな食堂スタイルだ。
メニューは、メンチカツとご飯、オニオンスープ、キャベツがセットになった「和牛メンチカツ定食」のみ。当初は3個のメンチカツが付いて1980円の1品だけだったが、その後、メンチカツが2個で1540円という小ポーションのアイテムが加わった。注文ごとにコンロに載せた小さな鉄鍋を卓上に用意し、1個ずつ提供するメンチカツをナイフで切って断面を焼き上げて食べる。調味料として、「定番ソース」「柚子ポン酢」「青唐醤」の3種類が供されるが、同店では、1個目は塩で食べることをすすめている。また、最後のメンチカツは「自家製デミグラスソース」を鉄鍋に注いで仕上げる趣向だ。ご飯、スープ、キャベツのおかわりは無料。ほかに、トッピングとして「チーズソース」(220円)と「温泉玉子」(110円)があり、ドリンクには「黒烏龍茶」「ペプシコーラ」(各275円)、「プレミアムモルツ」(660円)などを用意している。
「揚げる」料理を追求して来た同社が、新しいスタイルの揚げ物ブランドを開発した。
(価格はすべて税込み)
★けんじの評価=第2創業期を牽引するブランドとなるか
ユニシアホールディングスへと社名を変えた同社は、「脱・串カツ田中」を打ち出した。これは、それまで同社の成長を牽引してきた「串カツ田中」という単一ブランドに依存する、「成功体験」から脱却する意味合いだという。社名の変更後を第2創業期と位置づけ、DX事業分野の拡大や、リブランディング計画による新店舗のデザインコンペといった方針を次々と発表している。今回の店舗はそうした変化の直前に出店したものだが、おそらく同社としては同様の戦略の中で生み出された新ブランドなのだろう。
同店のメンチカツは、惣菜店などのものよりもはるかにおいしいし、商品が1種類しかない業態という潔さもかなり革新的だ。しかし、ある顧客が一つのメニューのためだけに来店する頻度はどのくらいだろうか。国民食とも言えるラーメンですら、多くの店でメニューの選択肢は少なくとも5種類以上はあるはずだ。それに、1種類のメニューだけではファミリー客などもかなり利用しづらいに違いない。
もう一つ気になるのは、同店の店舗オペレーションの複雑さだ。席に着いてから、客であるこちらが恐縮してしまうくらい何度もスタッフがやって来る。一人の来店客にあれだけの手間をかけるとなると、スタッフの苦労も多く、生産性にも影響するのではないか。その作業の多くは、メンチカツの標準的な食べ方を“指南”するために費やされている。食べ方は客の自由とすれば、かなりの作業がなくなるように思うのだが、どうなのだろう。
◆外食ジャーナリスト・鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウオッチャー。
●店舗情報
「挽きたて和牛 ザ・メンチ」大宮店
開業=2026年2月7日/所在地=さいたま市大宮区大門町2-27
●編集協力:株式会社イートワークス
http://www.eatworks.com/














