外食の潮流を読む(135)宇都宮駅の大繁盛店「芭莉龍」が八重洲に出店して「喜び」を発揮
7月6日、東京・茅場町の飲食ビル「GEMS茅場町」1階に「餃子といえば芭莉龍(バリロン)」がオープンした。ギョウザをメインに展開し、「焼餃子」は5個で858円(税込み、以下同)。本店はJR宇都宮駅と直結した商業施設の1階にあって、筆者はこのお店に格別の思いを抱いている。
同店の東京進出は2023年4月で、東京駅八重洲北口の八重北食堂1階に「餃子といえば芭莉龍八重北分店」を開業しているが、今回オープンした茅場町店はオフィス街の路面にあってよく目立ち、同店の東京進出を象徴する存在感がある。39坪67席の規模で、店内の中央にオープンキッチンを囲んだカウンター席があり、ダイナミックな構成になっている。
同店の経営はチームバリスタ(本社/栃木県宇都宮市、代表/橋本哲也)。同社は16店舗を擁しているが、このうち14店舗を宇都宮市内で展開している。創業者の磯信太郎氏から、橋本氏が25年6月に事業承継した。
同店のメイン料理は「餃子」である。「宇都宮」といえば、ギョウザの町だが、同店をオープンした経緯は19年10月、同社が宇都宮市内に「生きている餃子バリス」をオープンしたのが始まり。宇都宮のギョウザの中では後発であることから差別化を図り、皮からあんまでスクラッチで、あんを肉1対野菜2の構成にし、肉をひき肉にせず1cmのキューブ状の豚肉を入れて、噛み応えの特徴を打ち出した。
同店は、たちまち人気店となり、20年10月JR宇都宮駅に「餃子といえば芭莉龍」を出店した。1階路面にあって、施設の外側、施設の通路側と、2方向から店内の様子を見ることができる。52坪70席の店舗は1日に6~7回転するようになり、客単価2400円で月商3500万円を売るようになった。
筆者は24年の夏、青森に帰省した帰路に宇都宮に降り立って、同店に偶然めぐり合った。夕方17時ごろで行列の大賑わい。時間を空けて再訪しようと、市内を散策してから19時に再び訪問したが、なんとウエーティングは2時間前よりも長くなっていた。筆者は一人だったので、比較的早く店内に入ることができた。
メニューは餃子の存在感が際立っていたが(当時1皿638円)、エスニック風の串料理も個性を放っていた。栃木県産の日本酒も、数多く品揃えしていた。
店内の若い女性スタッフに、「この店名は、何と読むの?」と質問したところ、「バリロンです」と、満面の笑顔で答えてくれた。
筆者は楽しくなって、餃子の工房の前に行き、工房のスタッフを背景にして自撮りをしようと、スマホを構えた。すると、工房のスタッフ(20代前半の女性3人)が、筆者のスマホに向かって、筆者の背景になって手を振ってくれた。こちらも満面の笑顔であった。
同社の経営理念は「喜ばれることに、喜びを。」ということだ。このような、飲食業の喜びが、東京のオフィス街で再現されて、広く知れ渡っていくことを大いに楽しみにしている。
(フードフォーラム代表・千葉哲幸)
◆ちば・てつゆき=柴田書店「月刊食堂」、商業界「飲食店経営」の元編集長。現在、フードサービス・ジャーナリストとして、取材・執筆・セミナー活動を展開。















