数字で読み解くフードサービストレンド:昼食の客単価は680円で9%増

2023.03.06 529号 06面

 相次ぐ値上げによって、外食・中食の客単価はどれぐらい上昇しているのでしょうか。エヌピーディー・ジャパンが提供する外食・中食市場情報サービス「CREST」で、外食・中食にかけた1食1人当たりの客単価を見てみると、2022年7~10月は、外食・中食全体で、朝食345円、昼食680円、夕食1175円でした。コロナ前の19年同期と比べた上昇率は、朝食で9%増、昼食でも9%増、夕食では4%減でした。

 客単価の高い夕食は、節約傾向から、より安いお店や小売店、中食へのシフトが見られ、客単価が減少しました。ファミレスや居酒屋・バーでも昼食と比べると客単価の上昇が鈍いことから、店のシフトだけでなく、選ぶ商品を安い商品にしたり、サイズを小さいものにしたり、注文数やトッピングを減らすなどでセーブしていることがうかがえます。

 朝食は、客単価の上昇が比較的高いのですが、客単価自体が低いので、上昇してもたかが知れていることから、客数は増加している傾向が強まっています。

 昼食は、客単価の上昇が高く、客数はコロナ前からの客数減の回復が鈍い傾向です。昼食では特に、価格に見合った価値、利便性、またはお得感を感じさせることが重要になっています。

 自社の値上げ・高額商品や競合商品からシフトする消費者の受け皿となる価格の商品を準備することも商機がありそうです。

 (エヌピーディー・ジャパン 東さやか)

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