アポなし!新業態チェック(215)「サブウェイ」ヨコハマベイサイド本店

2025.07.07 557号 11面

 ●ワタミの新生「サブウェイ」モデル店舗 店舗限定、期間限定メニュー投入、米国の最新店舗デザインも採用

 ワタミは、昨年10月に日本国内におけるマスターフランチャイズ契約を締結したサンドイッチチェーン「サブウェイ」の「ヨコハマベイサイド本店」を神奈川県横浜市にオープンした。同店は、ワタミグループに加わった新生「サブウェイ」を象徴するモデル店舖として位置付けられている。同社グループが独自に開発した新メニューを追加し、米国などで採用されている最新の店舗デザイン「フレッシュフォワード2.0」を日本で初めて採用した。

 今回、同店で追加された新商品には、店舗限定と期間限定がある。店舗限定のメニューは「焼肉の和民」のノウハウを生かした「牛カルビチーズ」(990円)と、居酒屋の人気メニューからアイデアを得た「シーフードグラタン」(690円)という2種類のサンドイッチ。期間限定メニューとしては、味付けしたチキンを野菜でくるみ、手づかみで食べる「てり焼きチキン」(670円)と「チリチキン」(620円)という2種類の「サラダラップ」を用意した。注文と会計は、店舗の入口に備えられたセルフ注文端末で行う。また、新商品ではないが、サンドイッチとの相性を考慮した新たなブレンドのコーヒーが導入されている。

 店舗は、みなとみらい線の馬車道駅方面から、観光エリアとして知られる新港地区へ抜ける万国橋のたもとに位置する。運河に面した路地に沿って新しく建てられたビルの1階で、店前の自動車交通量はほとんどなく、周辺の勤務者と観光客の両方が利用できる好立地だ。(価格は税込み)

 ★けんじの評価:タイミーと業務提携、スキマバイト導入

 「サブウェイ」は1965年、米国・コネチカット州で創業。90年代にサントリーが日本での展開を開始し、最盛期には500店舗に迫るところまで拡大した。その後、サブウェイ本社の方針が変化するなど紆余曲折を経て、ワタミが経営権を獲得した時点では日本国内の店舗は200店舗未満まで減少している。

 現在、日本における「サブウェイ」の運営は、ワタミの子会社であるWATAMI FAST CASUAL(以下、WFC)が行っている。今回、同店舗の出店に伴って、WFCはスキマバイトサービスを提供するタイミーとの業務提携を発表した。おそらく業界関係者の多くは、同店の新メニューや店舗デザインだけではなく、この業務提携の行方に関心が高いのではないだろうか。タイミー社は空き時間を生かしたスキマバイトのサービスで知られるが、同時に、企業側に代わって新規スタッフの事前研修や育成のトレーニングなどを代行するという業務も行っている。ここが、単なる短時間アルバイトの紹介サービスとは異なる特徴のようだ。

 「サブウェイ」はサンドイッチのカスタマイズが売り物であり、注文後に短時間で間違いない商品を提供できることが重要になる。筆者が臨店した際に、キッチンのスタッフがサンドイッチの効率的な製造方法について話し合っている場面を目にした。もし、こうしたスタッフの意欲的な姿勢がタイミー社のトレーニングから生まれるものなのだとしたら、多くの外食企業にとっては興味深い事例となるのかもしれない。

 ◆外食ジャーナリスト・鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウオッチャー。

 ●店舗情報

 「サブウェイ」ヨコハマベイサイド本店

 開業=2025年4月10日/所在地=横浜市中区海岸通4-24

 ●編集協力:株式会社イートワークス

 http://www.eatworks.com/

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