シェフの愛用食材:ミラノクッチーナ・伊藤奉幸シェフ「アチェート・バルサミコ・ディ・モデナ」

2010.12.06 381号 05面
イタリアのモデナで生まれた“公爵の酢”

イタリアのモデナで生まれた“公爵の酢”

伊藤奉幸ミラノクッチーナ料理長

伊藤奉幸ミラノクッチーナ料理長

 イタリア料理にバルサミコ酢は欠かせない。少なくとも3~4種類のバルサミコ酢を使い分ける。「3種類のバルサミコ酢を使っていますが、アチェート・バルサミコの甘みと酸の上品さは格別。そのまま料理の周りに添えるだけで、料理を引き立てます」と伊藤シェフ。

 アチェートとはイタリア語で「酢」という意味。しかし、決して酸っぱくない。むしろ、口に入れた時は甘みを感じる。その甘みと、優しい舌触りとが、ほかのバルサミコ酢にはない高級感を醸し出している。まさに「公爵の酢」といわれるだけある。

 イチジクとトマトが添えられた豚肉のロースに、またトマトソース風味の白身魚に、リゾットの最後の仕上げに、イチゴを添えたマスカルポーネのアイスに……。

 「味わうと、いろいろな料理が思い浮かびます。また、水っぽくなくトロッとし、濃度がしっかりしているので、乳化しやすく、ドレッシングにも最適です」

 ジュニア野菜ソムリエでもある伊藤シェフ。新鮮な野菜のグリルに添えるドレッシングに、このアチェート・バルサミコを加える。

 このしっかりした濃度が、毎年、新しくブドウを煮詰め(モスト・コット)それをたるの中に入れ、10年から、長いものでは20年間熟成された証拠だ。職人の手作業で作られるため、その年の生産量が限られている。この希少な味を、ぜひ、売り切れてしまう前に、秋冬の食材とともに、味わうことをお薦めしたい。

 ◆イタリア・モデナの宝石 アチェート・バルサミコ

 「アチェート・バルサミコ・ディ・モデナ」

 輸入元 ジャパンソルト(株)東京都中央区京橋2-2-8 明治屋京橋3F(お問い合わせ 電話03・5843・7779/FAX 03・3275・1140)

 アチェート・バルサミコはどうやってできるのか? まず、厳選されたトレッビアーノ種のブドウを煮詰め、たるの中で寝かせ、また翌年、新たに煮詰められたブドウを上から注ぎ足すことを繰り返し、長い年月をかけて完成する。歴史を経て受け継がれた職人の技が光る、優美な甘み、ベルベットのような食感、そして上品な酸味を楽しめる。肉料理にはもちろん、ドレッシング、また、ドルチェのタルトやアイスクリームとの相性も素晴らしい。

 規格=ガラスボトル250ml

 ◆伊藤奉幸氏プロフィール

 いとう・ともゆき ミラノクッチーナ料理長 富士屋ホテル、イタリアンレストランを経て、2004年にミラノクッチーナのシェフに就任。ジュニア野菜ソムリエでもあるほか、食育活動でも活躍している。

 ◆店舗情報

 「ミラノクッチーナ」東京都中央区京橋3-13-1 有楽ビル1F、電話03・3563・3301

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