メニュートレンド:サイコロ振ってハイボール無料 「大衆鳥酒場ひよっこ大山店」
東京・板橋の「大衆鳥酒場ひよっこ大山店」では、毎夜客席のあちこちから歓声があがる。その理由はハイボール1杯無料をかけて、お客が挑戦するハイボール・カーニバルに一喜一憂しているのだ。「これをきっかけにハイボール飲むならひよっこと認知された」と店主の北野達巳さん。激安だけでは集客できなくなった昨今、お客との接点を深めるイベントにより常連客を一気に増やした好事例だ。
ハイボールカーニバルのルールは単純だ。一組のサイコロを振ってゾロ目が出たらハイボール1杯無料、合計が偶数だったら半額で飲める。しかし、出た目の合計が奇数だった場合は、なんと2倍の料金を払うことになる。お客のリスクは決して低くないのだが、ハイボールを注文するお客の9割以上が一度はこのイベントに挑戦するというのだから、相当な人気ぶりだ。
同イベントを始めたきっかけについて北野さんは「オープン当時、集客が伸びず苦しんだ。常連客づくりの施策としてハイボールカーニバルを始めたら、以前20人程度だった客数が3ヵ月後には倍以上になった」と北野さんは胸を張る。
ハイボールのメニューは6種類。角瓶、トリス、キンミヤ焼酎など多彩なベースを用意している。価格は360◆入って360円均一と割安。レモンを漬け込んだ焼酎をベースにする自家製「ひよっこハイボール」だけ500円だが、女性客を中心に人気だ。
奇数を出してしまったお客は気の毒に思われるが、通常の2.2倍も入ったメガサイズで提供されるから、むしろ得したことになる。加えて月間イベントとして「K-1グランプリ」がある。Kとは奇数の頭文字で、毎月奇数を一番多く出したお客に賞品を贈呈するというものだ。賞品は角瓶やキンミヤ焼酎など1本を持ち帰っていただく。このようなイベントがお客とのコミュニケーションを深めるきっかけとなり、他店で飲んでいたお客でも、帰りがけにハイボール1杯だけ飲みに立ち寄るケースが多い。
「新しい店は、どれだけ常連客を増やすかが最優先。これからもお客さまが楽しみながら得したと思っていただける企画を考えていきたい」と北野さんは意気込む。
●店舗情報
「大衆鳥酒場 ひよっこ 大山店」 所在地=東京都板橋区大山町8-1 ファイン大山1F、電話03・5926・3232/開業=2010年9月/営業時間=午後3時~翌午前3時、不定休/坪数・席数=15坪・26席/客単価=2400円
●愛用資材・食材:「淡色塩ぽん酢」 ミツカン(愛知県半田市中村町)
ひよっこ大山店は、朝絞めを空輸した宮崎県産霧島鶏を使った鶏料理が主力。数ある鶏料理の中で「鳥皮ぽん酢」「すじぽん酢」といったサイドメニューや「オニオンスライス」などで同品を使用している。「普通のポン酢を使うと味が強すぎるのだが、塩ぽん酢を使うことで素材が引き立つ」と北野さん。同品はレモン・ユズ・ダイダイを合わせた柑橘果汁と昆布だしを合わせてサッパリした味わいながらうま味が濃厚。酸味も強すぎず料理を選ばず幅広く使える。
規格=1リットル(常温)











