メニュートレンド:肉を引き立てる「ちょこっと」メニュー 焼肉ウルフ

2015.09.07 438号 27面
写真手前が「シャリ玉(3貫)」、中が「ちょこっと冷麺」。奥は同店の看板商品「元祖おとしダレ 特選ここだけカルビ」。インパクト絶大の大判肉と立ち上がる煙が商品価値を高めるポイントだ

写真手前が「シャリ玉(3貫)」、中が「ちょこっと冷麺」。奥は同店の看板商品「元祖おとしダレ 特選ここだけカルビ」。インパクト絶大の大判肉と立ち上がる煙が商品価値を高めるポイントだ

池袋駅西口から駅前繁華街を抜けた徒歩5分の裏通りに店を構える。周囲は焼肉店や肉バルがしのぎを削る肉激戦区でもある

池袋駅西口から駅前繁華街を抜けた徒歩5分の裏通りに店を構える。周囲は焼肉店や肉バルがしのぎを削る肉激戦区でもある

 焼肉店の主役は当然「肉」。サイドメニューに求められるのは「おなかいっぱい肉を食べたい!」という客の欲望を邪魔せずに口直しになる気配りだ。東京・池袋西口の焼肉店「焼肉ウルフ」では、そんな気の利いたサイドメニューをラインアップして、客の満足度アップに成功している。

 ●手間を惜しまず満足度を向上 ポーションダウンでも価値はアップ

 「シャリ玉(3貫)」のサイズはおよそ3cm。文字通りひと口サイズのご飯が3つ行儀良く並んで提供される。その上にはコチュジャンベースの味噌と薬味のネギ。口直しにそのまま食べても良いし、焼肉を上にのせて「肉寿司」スタイルで食べてもおいしいと好評で、多い日で10食を売る。

 「焼肉を食べている途中でご飯ものや麺ものを食べたくなるけど一人前は食べられない、というお客さまが多いことは知っていました。当店をオープンするに当たっては、そんなお客さまのニーズにもお応えしたいと商品化を考えたのです」と洪 徹秀代表は説明する。同店では、初来店の客にはスタッフが客席で肉を焼くなどの細やかなサービス力を売りにしているが、そんな気配りから生まれたサイドメニューが同品なのだ。

 「ちょこっと冷麺」も同じテーマで商品化。麺の量は3分の1とおなかはいっぱいだけど少しだけ食べたいニーズに最適な量。実は1人前もハーフサイズも用意しており、客のわがままにしっかりと応えるのだ。麺はツーオーダーでゆであげてツルッと滑らかな食感。麺をゆでた後に冷水で締めるなど手間のかかるサイドメニューではあるが、客の満足度を高めることを最優先としている。

 メーンである焼肉の看板メニューは、A5ランク黒毛和牛のサーロイン130gを1枚のビッグサイズにスライスした「元祖おとしダレ 特選ここだけカルビ」(税込み2130円)だ。スタッフが客席で最適な焼き加減で提供するだけでなく、食べやすいサイズにカットした後に、最初はワサビ、次に生レモン汁、最後に同店の名物「おとしダレ」の3つの味付けで楽しむ演出を施して付加価値を最大化している。

 「おとしダレ」とは、肉を七輪で炭火焼きしている上から特製たれをかけていくのだが、たれが炭火に落ちることで勢いよく煙が上がる。「この煙で肉がスモークされることで炭火の香ばしさが強調されて肉のうま味が増すのです」と洪代表。たれはあっさりした味わいでA5ランク黒毛和牛の味を引き立てる。

 2015年4月にオープンしたばかりだが、早くも1日2回転する繁盛ぶりを見せている。

 ●店舗情報

 「焼肉ウルフ」 所在地=東京都豊島区池袋2-39-5/開業=2015年4月/営業時間=午後5時~翌午前1時、無休/坪数・席数=16坪・28席/1日平均客数=50人/平均客単価=6314円

 ●愛用資材・食材

 「繁昌店 白だしつゆ」 ヤマサ醤油(千葉県銚子市)

 まろやかさとうま味をアップ

 焼肉店で冷麺といえば牛骨スープが一般的だが、同店では鰹節や昆布を主成分とする同品をブレンドすることでまろやかなコクとうま味を引き出している。薄色仕立てのため、透明感あるスープの色はそのまま。酒を飲んだ後の締めとして満足感の高い味に仕上げている。

 規格=1.8L(常温)

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