ウワサの新店舗:「鮨 おにかい」 “くずし”のひと工夫で高級寿司を超える9000円寿司を

2019.12.02 490号 08面
9,000円(税抜き)コースで提供されるにぎり寿司(※ネタは季節によって異なる)

9,000円(税抜き)コースで提供されるにぎり寿司(※ネタは季節によって異なる)

坂本和樹氏、望月将氏の二人の店主が、調理から接客まですべてを担う

坂本和樹氏、望月将氏の二人の店主が、調理から接客まですべてを担う

 名店「鮨 つきうだ」で修業中の若手職人が店主を務める「鮨 おにかい」がオープンした。同店は寿司をカジュアルに楽しめるよう、柔軟な発想で江戸前寿司を少しくずした、「くずし寿司」をコンセプトにしている。店舗は築100年の長屋を使った看板も表札もない建物で、空間にも“くずし”が入っている。

 料理は、つまみ3品とにぎり寿司のおまかせコースのみで、9000円(税抜き)。本格寿司のコースとしてはかなりリーズナブルだ。「高級寿司の名店ほど敷居は高くなく、大衆寿司店よりは上の寿司」を目指し、1万円でお釣りがくる価格にこだわったという。寿司は極上のネタを追求するほど価格も青天井で上がってしまうものだが、「江戸前の仕事を残しつつも、ひと工夫の新しさを加えることで、超一流の高級寿司に負けない本格寿司を提供したい」と若き2人の店主は言う。

 そのひと工夫は絶妙だ。「マグロの赤身の漬」は、アイルランド産のマグロをあえて活用し、霜降りにして煮きり醤油に漬け、このわたを添えている。「塩〆したブリ」は、3時間塩締めにしたブリを千枚漬けと合わせている。「煮鮟鱇の軍艦巻き」は、アンコウを煮込み、奈良漬けと一緒に軍艦にした。

 伝統の江戸前寿司に若い発想のひと工夫を加えた本格創作寿司が楽しめる店というわけで、大いに期待が持てる新店だ。

 ●店舗情報

 「鮨 おにかい」 所在地=東京都目黒区上目黒2-18-11 2階

 営業時間=18時~23時、月曜休 席数=カウンター10席、テーブル2席

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