デリカの「今」がわかる中食通信:来店動機を喚起する!ウジエスーパー人気惣菜selection
◆独自味を誇る「らずもねぇ」シリーズ
「らずもねぇ」とは「とんでもねえ」や「大変な」を意味する宮城県の方言。ウジエスーパーでは独自の味作りを誇る人気惣菜に限り「らずもねぇ」の冠を掲げている。現在「らずもねぇ」に選定されている惣菜は鶏唐揚げ、餃子、ポテトサラダ、牛タン入りコロッケの4品。一方、弁当や青果の生鮮の逸品には宮城弁で「がんこもの」を意味する「かだっぱり」、こだわりのPB製品には「ウジエ商店」という冠を掲げている。
●売れ筋1位 「ウジエの“らずもねぇ!!”鶏ごぼう飯弁当」 430円(税込み)346g
POINT=地元の炊き込み好きを如実に実証
炊き込み打線の首位打者
「はらこ飯の人気=地元の炊き込み好き」。この仮説を実証したのが「鶏ごぼう飯弁当」だ。具材の鮭と鶏肉は異なれど、地元醤油を使った塩味と甘味の濃厚風味は共通。鶏ごぼう飯は昨今、ついに弁当類の王者・かつ丼から販売首位を奪取した。はらこ飯は通年安定かつ夏から秋が旬、鶏ごぼう飯は販売首位に昇格、春は律儀にタケノコご飯、秋は手堅くマイタケご飯。切れ目のない炊き込み打線は、まさにウジエデリカのクリーンナップだ。
●ご奉仕逸品 「謹製!かだっぱり卵のかつ丼」 486円(税込み)477g
POINT=王者にふさわしいこだわりを凝縮
誠意は立派だが注意も必要
自社製造工場でパン粉付けする豚カツ、塩味と甘味のバランスを地元好みに極めた割り下、地元くりこま高原産の濃厚な鶏卵など、素材一品一品へのこだわりが自慢。弁当類の販売数では常に首位争いを演じている。しかし物価高騰の昨今、この奉仕価格の維持は難しく、値上げを検討中だが、値上げを納得してもらうため豚肉を75gから100gに増量することも検討中だという。値上げの誠意は立派だが、単なる大盛りにならないよう注意も必要だ。
●配色テクニック 「白身フライがどーん!海苔弁当・各種」 430円(税込み)354g
POINT=人気のおかずを彩りよく配置
生き生きと陣取るバラン
白身魚フライ、焼き鮭、ちくわ天の主菜3品、赤ウインナー、きんぴら、桜漬けの副菜3品をのせた海苔弁。と聞けば普通の海苔弁だが、見れば彩りのバランスに感心する。普通は揚げ物の茶系天下だが、本品は赤系も互角。鮭は薄くても表面を広く見せ、派手な赤ウインナーで視覚を誘い、脇役の桜漬けも健闘。何より、中央に陣取るバランの躍動感が見事。鋭いギザギザ緑で両陣営を差配する活躍ぶりだ。配色の妙を感じさせる秀作である。
●日韓友好すし 「チーズ入り!韓国風キンパ弁当」 430円(税込み)264g
POINT=すし売場の柔軟な発想に拍手
すし売場に現れた韓流スター
韓国料理のキンパ、韓国調味のチーズ入り、韓国惣菜のヤンニョムチキン。トリプル韓国を達成した偉大な韓国弁当だが、並んでいるのはすし売場の一等地。陳列を間違えたわけではない。すし担当者が知恵を絞って考案した自信作なのだ。水産に恵まれる宮城県では魚介の新鮮が当たり前。新鮮なだけでは地元客は飽きてしまう。たまには大胆な目新しさも必要なのだ。本品が「日本風すしキンパ弁当」として逆輸入されるよう期待したい。
●ご当地すしFF 「宮城発祥!マンボ巻き」 430円(税込み)166g
POINT=ご当地すしのPRを地味に推進
せっかちに好適な筋子エキス
昭和30年代に流行したマンボ・ダンス。赤と緑の衣装が目立ったことから宮城県内の一部のすし店では、当時から「赤=筋子」と「緑=キュウリ」を合わせた巻きすしを「マンボ巻き」と名付けて提供してきた。それを名物にしようと県内すし団体がPRを開始。ウジエも便乗して商品化した。巻きすしを切り分けると、筋子エキス(塩味)がご飯に染み込み、醤油を付けなくてもOKという利点もある。せっかちな人にはうってつけだ。
●鉄板の自信作 「ウジエの“らずもねぇ!!”鶏唐揚げ」 224円(税込み)/100g
POINT=先味と後味の調和を絶妙に演出
UFCのポテンシャルを自覚せよ!
宮城県北部で好まれる濃厚風味を徹底追求した逸品。「塩味の先味と甘味の後味」という絶妙な味作りが自慢だ。独自の調味液に鶏もも肉を漬け込むこと長時間。鶏唐揚げとしてのおいしさはもちろんだが、それよりもウジエのこだわりを凝縮した独特感が先立つ。濃口の地元客をして「醤油いらずの鶏唐揚げ」といわしめる傑作である。KFCを彷彿させるポテンシャルを自覚し、本気で「UFC」のブランド化に踏み出すべきだ。
●ユニーク開発 「ウジエの“らずもねぇ!!”伊達な牛タン入りコロッケ」 2個190円(税込み)131g
POINT=滑らか食感のポテトが決め手
企業秘密を一括表示に記す
牛タンは仙台グルメの代表格だが、地元民にとっては観光グルメの位置付け。加えて近年の牛タン高騰により、ますます手が出ない。そんな窮地を打破するため本品が開発された。牛タンミンチの含有量は少ないが、思いのほか存在感が際立つ。理由はジャガイモの食感にある。ホクホクな生ジャガイモではなく、滑らかなポテトフレークを使っているからだ。取材時「企業秘密」だと口止めされたが、一括表示に記してあるので、あえて公表したい。
●こだわり凝縮 「ウジエの“らずもねぇ!!”自家製ポテトサラダ」 192円/100g(税込み)
POINT=ジャガイモの皮むきから当日仕込み
風味の決め手は土付きを当日調理
皮むきから当日調理する鮮度抜群のおいしさが自慢。仕込みは夜中に土付きの男爵芋を洗うことから始まる。ジャガイモの持ち味は皮と身のつなぎ目に凝縮されており、その部分の鮮度が芋風味の決め手になるという。調味料のこだわりも格別。当日に自社製造するフレッシュマヨネーズをベースに業務用マヨネーズを配合して絶妙な酸味を演出。地元志向のメリハリある味わいに仕上げている。色ツヤで鮮度にうなる「らずもねぇ!」名脇役だ。
●意外な驚異「かぼちゃクリームサラダ」 279円(税込み)154g
POINT=サラダというより、惣菜スイーツ
ポスト「秋保おはぎ」の可能性
サラダを名乗っているが、むしろスイーツ。単品売りのカボチャ煮物と同じカボチャ煮物を皮ごとつぶして生クリームと混ぜ合わせたもの。カボチャのホクホク感と生クリームのクリーミー感の相性は抜群。ありそうでなかった絶妙な食感と風味を演出している。相思相愛のマッチングを引き立てる皮のアクセントも秀逸。皮の咀嚼により味わいが一層増す。近隣の「秋保おはぎ」が全国に波及したような、宮城県発の定番化に期待したい。
◆味作りの決め手
醤油・味噌 ヤマカノ醸造(宮城県登米市)
風味がよく、のびると定評
宮城県北部の味作りに欠かせないのが地元・ヤマカノ醸造の醤油・味噌。かねて県北から岩手県沿岸部を商圏とし沿岸の食文化に合う味作りを志向してきた歴史があり、地元では「風味がよく、のびる」や「素材の持ち味を引き立てる」という定評がある。煮物や鍋類などで地元の味を発揮する。ウジエスーパーではPB調味料の多くで使用されている。
◆ウジエ弁当売れ筋トップ10
1位 「ウジエの“らずもねぇ!!”鶏ごぼう飯弁当」 430円(税込み) 346g
2位 「謹製!かだっぱり卵のかつ丼」 486円(税込み) 477g
3位 「伊達なはらこ飯」 626円(税込み) 309g
4位 「白身フライがどーん!海苔弁当・各種」 430円(税込み) 354g
5位 「涼味麺セット」 399円(税込み) 471g
6位 「鶏めしおにぎり&おかずセット」 299円(税込み) 275g
7位 「味噌おにぎり」 172円(税込み) 205g
8位 「満足! “らずもねぇ!!”唐揚げ弁当」 480円(税込み) 396g
9位 「日替わりまんぷく弁当・各種」 430円(税込み) 417g
10位 「季節の天丼」 499円(税込み) 449g