多忙でも読める外食ニュース

2025.05.05 555号 04面

 ●スシローグループ天ぷらの新業態

 FOOD&LIFE COMPANIES(以下、F&LC)傘下で「杉玉」などを展開するFOOD&LIFE INNOVATIONSが、千葉県野田市に新業態の「天ぷら定食 あおぞら」を出店。同店は、揚げたての天ぷらを定食スタイルで提供する郊外の独立店。寿司チェーンを運営する同社グループの強みを生かし、店舗まで冷凍することなく生のまま届く“生アジ”など、厳選した魚介類を中心に天ぷらの素材とすることで、独自の魅力を打ち出す。

 解説=F&LCは今年、海外事業において200店舗を突破した。同社の海外戦略は、日本で確立したブランドをそのまま海外に展開するという方針であり、天ぷら業態が新たなブランドの柱として想定されているのかもしれない。

 ●カインズの人気マフィン専門店新業態で展開

 ホームセンター大手の「カインズ」を展開するカインズ傘下のカインズフードサービスが、新業態のマフィン専門店「カフェブリッコ マフィンズ」の1号店を東京・府中市に出店した。同店は、同社が全国の「カインズ」店内を中心に展開するインショップの「カフェ ブリッコ」から生まれた派生業態。京王線府中駅にほど近い商業施設への出店で、テイクアウトのみの売店型。店舗限定や期間限定で販売する商品も含めて、同カフェの看板商品であるマフィンのみを20種類ほど取り扱う。

 解説=「カフェブリッコ」は全国に65店舗。2015年に発売したマフィンが人気となり、看板商品として知られるようになった。現在では年間550万個を売り上げ、発売開始からは累計で2800万個を販売しているという。

 ●2024年度、焼肉店倒産 過去最多の50件超

 企業調査会社大手の帝国データバンク、東京商工リサーチの両社が、2024年度に「焼肉店」経営企業の倒産が50件を超え、過去最多となったと報じている。両社とも主な理由として、原材料費や光熱費、人手不足による人件費の上昇に加え、業界内での競争の激化により、これらのコスト上昇をメニュー価格に反映できない状況を挙げている。帝国データバンクは2000年以降、東京商工リサーチは08年以降で、いずれも負債1000万円以上の法的整理となった倒産を集計。

 解説=また同年度で、帝国データバンクは「洋菓子店」の倒産が、東京商工リサーチは「酒場、ビヤホール(居酒屋)」「バー、キャバレー、ナイトクラブ」など業種分類の飲酒系企業の倒産が、いずれも最多であったと伝えている。

 ●ワタミ「サブウェイ」新モデル店舗出店

 ワタミが、昨年10月傘下に収めた「サブウェイ」の新しいモデル店舗として、「ヨコハマベイサイド本店」をオープンした。同店は、米国などで導入されている最新の店舗デザイン「フレッシュフォワード2.0」を日本で初めて採用。また、同店限定の新メニュー4種類と、新ブレンドのコーヒーも販売する。新メニューのサンドイッチは、「牛カルビチーズ」や「シーフードグラタン」など同社のノウハウを生かしたもの。サンドイッチやコーヒーは、今後、既存店にも販売を拡大する。

 解説=「サブウェイ」はパンや具材などを細かくカスタマイズできることが売りだが、日本ではそうした注文の複雑さがネックになっているといわれてきた。今回の新メニューは、カスタマイズ注文をやや簡略化する方針のようだ。

 ●「すき家」異物混入 一斉休業で体制改善

 鳥取県内の「すき家」店舗で1月、提供した商品に異物(害獣)の混入が発生した。ゼンショーはすぐに必要な対応を行ったものの、この件を公表しなかったため、その後ネット上で情報が拡散。報道もされ大きな話題となった。報道を受け、同社は3月に公式ホームページで謝罪や経過説明などを行ったが、同時期に今度は東京都の店舗で害虫の混入が発生。結果として、ほぼ全店を一斉に数日休業して対策を実施。以後は24時間営業を取りやめて清掃時間を設けるなどの対応に追われた。

 解説=SNSなどで個人が自由に写真や動画を公開できる社会となり、店舗におけるトラブルは、その場の顧客対応だけでは完結しない可能性が高い。自社に不都合なことも含め、必要な情報を素早く公開する体制が必須となっている。

 ●「ピエトロ」宮城出店 東北に初進出

 福岡に本社を置き、パスタ店とドレッシングで知られるピエトロが東北に初進出した。これまで、北関東以北には札幌に1店舗があるのみだったが、「ピエトロ」店舗を宮城県の「イオンモール名取店」に出店。

 ●クリエイトR 札幌テーマの新業態

 クリエイト・レストランツは、札幌をテーマにした新業態「すすきの大衆酒場 白いたぬきホール」を大阪・梅田の商業施設にオープン。広がりのある170席近い大型店で、北海道テイストのオリジナルメニューを提供する。

 ●ベーカリー「神戸屋」 エキナカに新ブランド

 老舗ベーカリーチェーンの神戸屋が、東京のJRエキナカ商業施設「エキュート秋葉原」に新コンセプトの小型ベーカリーを出店。出店したエリアは駅構内でありながら集中レジを導入、オールキャッシュレスで購入できる利便性の高い店舗となる。

 ●「銀のさら」「釜寅」タイに飲食店出店

 宅配ブランド「銀のさら」「釜寅」などを展開するライドオンエクスプレスホールディングスは、タイ・バンコクの商業施設に新業態の和食レストランをオープンした。同店は、同社の海外2号店であり、イートイン形式では同社として海外初となる。

 ●サンマルクHD 大阪に新業態カフェ

 サンマルクホールディングスは、大阪・中央区の商業施設に新業態の「BAKERY CAFE C」を出店。店名は、クロワッサン、コーヒー、クリーム、チョコレートなど、頭文字が「C」となるアイテムを中心に取り扱うことからだという。

 ●ロイヤルHD ベトナムに1号店

 ロイヤルホールディングスが、ベトナム1号店の「THE ROYAL」をホーチミンに出店。資本業務提携を結ぶ総合商社の双日は、前身の日商岩井が1970年代から同国でビジネスを展開しており、食材調達や物流などに関するリソースを持つ。

 ●「山下本気うどん」 札幌に初FC店

 家系ラーメン「壱角家」などで知られるガーデンは、同社が首都圏を中心に展開する「山下本気うどん」初のフランチャイズ店舗を札幌・すすきのに出店。同ブランドは、これで19店舗目。同社は、飲食業などのM&Aによる事業再生で知られる。

 ●シャトレーゼ 下請法で勧告

 シャトレーゼが、下請法違反により公正取引委員会から勧告を受けた。下請事業者11社に対し、製造を依頼したにもかかわらず、未取引の包装資材などが総額で約2400万円あると認定。同社は謝罪し、必要な対応を行ったと発表している。

 ●アダストリア 「DEAN&D」協業

 ファッション大手のアダストリアが、子会社の運営するECモール内で、ウェルカムが展開する「DEAN&DELUCA」ブランドの食品や雑貨などの販売を開始した。アダストリアはゼットンを傘下に持ち、昨年はウェルカムから一部のブランドを譲渡されている。

 ●サイゼが中国、豪州 相次ぎ子会社設立

 サイゼリヤが、年内に中華人民共和国(中国)とオーストラリアに100%子会社を設立すると発表。中国子会社は既存出店の「サイゼリヤ」店舗の管理を目的とし、オーストラリアでは新たな店舗展開を計画しているという。同社は5月、ベトナムに1号店を出店。

 編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)

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