水産練り製品特集
水産練り製品の19年秋冬商戦は、全国的な猛暑に見舞われた昨年から正常化している。また量販店を中心とする売場状況は18年秋以降、カニ風味かまぼこ(かにかま)のかつてないブームによって大きく変化。それまでの売場の縮小傾向にも歯止めがかかり、店舗によっては拡張に転じている。厳しい原料事情とコスト環境にさらされ、製品値上げも困難な状況だが、風向きは変わりつつある。
かにかまは昨年9月末放映のTV情報番組放映以来、高タンパク食品としての健康性の認知が浸透を続け、若年女性に続き30代男性の立ち寄り率も上昇中。今期4~8月累計の市場規模は前年比40%前後の拡大と推定する。9月上旬にもバラエティー番組で取り上げられ、売場にも好影響が波及している。こうした中、練り製品市場全体は1~2%の縮小基調から、足元では2%前後の拡大に転じているとみられる。好機を逃さず、かにかま以外でも各メーカーが「高タンパク」を切り口とした商品開発・提案に注力し、一層の市場活性化に期待は大きい。
ただ、依然として逆風も強い。主原料の北米産スケソウすり身は、秋漁のBシーズン価格が春漁のAシーズンと同水準となり、空前の高値が続く見込みだ。昨秋から今春にかけて各社がNB品値上げに踏み切ったが、「満額の受け入れとは程遠く、継続して理解を求めている」とするメーカーも複数ある。地場中小メーカーの廃業も散見され、生き残りは厳しさを増す。逆境とチャンスが混在する業界のチャレンジが続く。(本宮康博、深瀬雅代、山本大介、浜岡謙治、海野裕之、大屋良太)
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◆水産練り製品特集:風向き変化、市場拡大 逆境と好機が混在
練り製品 特集 2019.09.25水産練り製品の19年秋冬商戦は、全国的な猛暑に見舞われた昨年から正常化している。また量販店を中心とする売場状況は18年秋以降、カニ風味かまぼこ(かにかま)のかつてないブームによって大きく変化。それまでの売場の縮小傾向にも歯止めがかかり、店舗によっては拡…続きを読む
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水産練り製品特集:紀文 高タンパク品常温を訴求
練り製品 特集 2019.09.25紀文は今秋冬、強まりと多様性を見せる健康志向ニーズに対応し、中でも(1)タンパク質の積極的な摂取(2)脂質・糖質・塩分を控える--といった傾向の鮮明化に着目。こうした消費者ニーズを踏まえ、「高タンパク」「糖質オフ」をキーワードとした商品群の充実に力点…続きを読む
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水産練り製品特集:一正蒲鉾 パックおでんに新提案
練り製品 特集 2019.09.25一正蒲鉾は今秋冬、おでんの新たな提案やロングセラー商品の大型キャンペーンなどで市場活性化を図る。“笑顔と健康はいちまさから”を掲げ、個別テーマは(1)練り製品の潜在パワーを引き出す(2)新たな顧客を取り込む(3)食卓に驚きと楽しさを届ける--の3点。…続きを読む
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水産練り製品特集:堀川 「おでん袋」+好み1品を訴求
練り製品 特集 2019.09.25【新潟】堀川は今秋冬、汎用(はんよう)性の高い「おでん袋」を主体に、同社のバラエティー豊かな食材を組み合わせる煮物・鍋物需要の喚起に注力する。新商品はより厳選してアイテムを集中。「おでん袋」+好みの1品の購買を促し、今期前年増を目指す。19年5月期は…続きを読む
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水産練り製品特集:日本水産 太ちくわバラエティー化図る
練り製品 特集 2019.09.25日本水産の4~8月累計の練り製品(魚肉ハムソー除く)部門売上げは、前年比3.5%増、予算比でも上回って推移した。主力のちくわは実績ベース2%増で、細もの定番の寄与が大きく、太ものも毎年1~2ポイント積み増している。かにかまはスティックが20%増、フレ…続きを読む
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水産練り製品特集:スギヨ 「スギヨのおでん」若年層へアピール
練り製品 特集 2019.09.25【中部】スギヨはこのほど、定番の「スギヨのおでん」シリーズの新商品、リニューアル商品を投入。商品戦略では、特に今回は、伝統的な「いか巻き」「ごぼう巻き」だけでなく、シュウマイ、ウズラ、ウインナーなど、年配層だけではなく、子どもや若い世代にも「おでんを…続きを読む