水産練り製品特集

水産加工 2019.11.21
水産練り製品特集

 水産練り製品の19年秋冬商戦は、全国的な猛暑に見舞われた昨年から正常化している。また量販店を中心とする売場状況は18年秋以降、カニ風味かまぼこ(かにかま)のかつてないブームによって大きく変化。それまでの売場の縮小傾向にも歯止めがかかり、店舗によっては拡張に転じている。厳しい原料事情とコスト環境にさらされ、製品値上げも困難な状況だが、風向きは変わりつつある。
 かにかまは昨年9月末放映のTV情報番組放映以来、高タンパク食品としての健康性の認知が浸透を続け、若年女性に続き30代男性の立ち寄り率も上昇中。今期4~8月累計の市場規模は前年比40%前後の拡大と推定する。9月上旬にもバラエティー番組で取り上げられ、売場にも好影響が波及している。こうした中、練り製品市場全体は1~2%の縮小基調から、足元では2%前後の拡大に転じているとみられる。好機を逃さず、かにかま以外でも各メーカーが「高タンパク」を切り口とした商品開発・提案に注力し、一層の市場活性化に期待は大きい。
 ただ、依然として逆風も強い。主原料の北米産スケソウすり身は、秋漁のBシーズン価格が春漁のAシーズンと同水準となり、空前の高値が続く見込みだ。昨秋から今春にかけて各社がNB品値上げに踏み切ったが、「満額の受け入れとは程遠く、継続して理解を求めている」とするメーカーも複数ある。地場中小メーカーの廃業も散見され、生き残りは厳しさを増す。逆境とチャンスが混在する業界のチャレンジが続く。(本宮康博、深瀬雅代、山本大介、浜岡謙治、海野裕之、大屋良太)