中華まん特集

2019.10.02
中華まん特集

 ●時短・簡便ニーズ追い風に成長
 中華まん市場は、コンビニエンスストアの店舗増加や食事代替・おやつなど食シーンの拡大で2014年に580億円だった市場規模が、17年は670億円に、18年は、前年比2%増の680億円を達成し、市場規模700億円を射程圏内に収めた。18年は暖冬となり、中華まんには厳しい環境だったが、逆風の中、市場成長を果たした。成長の背景には、女性の社会進出によって相対的に家事にかける時間が減少し、食事でもより時短・簡便のニーズが高まっていることがある。また、世帯数の少人数化による個食化の進行などで、「1食完結型」である中華まんの価値が評価されていることも要因のようだ。さらに、スマートフォンの普及で、若年層の片手はスマートフォンに奪われることになった。自分の興味があること以外の消費を極端に絞る傾向が強い若年層の増加で、食に関する関心の低い層が増え、手を汚すことなく、ワンハンドで食べることができる中華まんは、今後、さらなる成長が期待できる。(青柳英明)