中部鍋つゆ特集

調味 2019.12.12
中部鍋つゆ特集

 中部エリアでの今期の鍋つゆ商戦は、葉物をはじめとする野菜価格が例年に比べ安定しているものの、10月まで続いた高い気温と台風などの天候不順で、堅調とは言い難い立ち上がりとなった。ただ近年は、気象変化の影響で量販店での鍋つゆ商材の導入時期そのものが遅くなっていることもあり、例年との比較では特別悪いわけではない。
 調理の手間も少なく、手軽に大量の野菜を摂取できることから人気が高いイメージの鍋。主婦層からは「皮むきなどの手間がかかる上に、大量の野菜を使うのでコスパが悪い」といった意外な声もあるが、単身世帯や大人数の家庭では重宝されるメニューであることは間違いない。
 市場は全国同様、ストレートタイプのパウチ鍋つゆが売上げの大部分を占める。当エリアの特性では、「198ライン」と呼ばれる低価格帯商品が高い支持を誇る傾向にあるが、ここ数年は各社ともに単価アップを目指した新商品の発売に力を注ぐ。
 味種では、寄せ鍋などの醤油、鶏だしをはじめとする塩、定番のキムチの3種のほか、辛さとうまみを兼ね備えた「しびれ鍋」系商品が近年注目される。その一方で、子どもや辛いものが苦手な人でも抵抗なく味わえる、「ふくろう監修辛みそ鍋つゆ」(寿がきや食品)や「キムチ鍋の素マイルド」(エバラ食品工業)といった優しい辛さに抑えた商品の発売も目立つ。
 また、大容量タイプ「どかっ鍋スープ」(マルサンアイ)のような大人数に対応したアイテムや、逆に単身世帯の増加を背景にした小容量タイプなど、多様化する消費者ニーズに特化した商品が年々増加傾向にあるほか、「割烹白だし」(ヤマキ)を使った手作り鍋の提案や、つけダレいらずの「なべしゃぶ」シリーズ(エバラ食品工業)などのマンネリ感を打破する商品への注目度も高い。ただ、最盛期に向かうに連れ、消費者は定番商品に回帰する傾向があるため、今後は、関連商材とのコラボ企画や、生鮮とのクロスなどを通じ、いかに消費者に訴求を図れるかが重要となってくる。(立川大介)