なめ茸・山菜加工特集

農産加工 2021.06.28
なめ茸・山菜加工特集

 「ご飯のお供」の定番として親しまれている、なめ茸。値頃感ある価格帯、ストック需要に応える保存性などを強みに半世紀以上、家庭用を中心に親しまれている。食の多様化や「コメ離れ」で消費基盤は弱体化しているが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う内食化で引き合いが強まるなど、食卓を支える底堅い潜在需要をあらためて示している。一方で、ストック需要の一巡ですぐさま反動減に転じるなど、成長への力強さは乏しい。普及・拡大の推進力だった「安さ」も、製造コストや物流費が上昇する中で、収益確保に必要な価格の適正化、商品の高付加価値化を阻むハードルに変容し、カテゴリー市場の活力を奪っている。
 こうした閉塞(へいそく)感を打破しようと業界が目指すのは、新たな「お供」の価値づくり。「ご飯」とのタッグにとどまらないメニュー・用途の提案、「容器革命」による利便性の向上で、新規ユーザーの開拓を急ぐ構えだ。(長野支局長=西澤貴寛)