8月23日。今日は油の日
8月23日はカネダ株式会社と京都府大山崎にある離宮八幡宮とが共同で制定した油の日。日本の製油は離宮八幡宮が「長木」という道具を発明したことに始まると言われている。日付は、貞観元年(859年)8月23日に九州にあった宇佐八幡宮が大山崎に遷宮されたことに由来する。
製油技術そのものは3〜4世紀には日本に伝わっていた
わが国における灯明油の起源はいろいろな説があり、定かでないが、3世紀の神功皇后の頃に大陸から搾油の道具が伝わり、4世紀には摂津住吉明神の神事 の際に地元の遠里小野村において榛実(はしばみ)という木の実から油を搾り、灯明油として献じたと伝えられており、これがわが国植物油の始まりとされ ている。この製油技術が摂津住吉の浦に発達したということは、大陸文化の流入にともなってわが国に伝えられたものと考えられる。
その後、清和天皇の貞観年間 (859~876年)に男山八幡宮が創立され、その際大山川崎の宮司などがはじめて「長木」という搾具をもってえごま油をつくり、 灯明油として献上したといわれている。他方遠里小野村ではその後、檮押木(しめぎ)という 搾油機を案出し、あぶらなの種を搾り生産量を増加したという。これがなたね油製造の始まりで以後灯火用として石油が登場するまで約1,000年にわたりわが国植物油の大宗を占めていた。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:一般社団法人 日本植物油協会 島田 純 ))