今日は何の日

12月27日。今日は寒天発祥の日

12月27日は、伏見寒天記念碑を建てる会が制定した寒天発祥の日。現在の暦の12月末頃に寒天の元となる初めてのところてんが提供されたと考えられること、その寒天発祥の地となった伏見(243)の語呂を24+3=27とできることから12月27日が記念日となった。

豆腐・納豆・コンニャク 今日のキーワード: 寒天

「仏家の食用として清浄これ勝るものなし」と評された寒天

寒天は、わが国で製造方法が 発明され発展を遂げてきた食品であり、今日では世界各国で食用、医療、バイオなどに供されて、生産されている国際商品で ある。その歴史は350余年と古く、 発祥の地は山城国伏見(現・京都府伏見区)が定説となっている。一方、トコロテンは遣唐使によって1000〜1200年前に伝来し、鎌倉時代(1192〜1333年)にはすでに京都で心太座(トロコテン店)が開かれていたとの記録も残っている。このトコロテンから乾燥品である寒天を発明し、その卓見により意識的に事業にしたのが伏見の本陣主美濃屋太郎左衛門といわれている。 その後、日本黄檗宋の開祖、隠元禅師がこれを試食して「仏家の食用として清浄これ勝るものなし」とほめ、寒中に産することから「寒天」と命名したと伝えられている。

その製造技術では発明から約100年の間、伏見のごく一部の家の秘法としてきたが、しだいに各地へと伝播するようになり、天保年間(1830~1843年)には 今日の角寒天産地である信州玉川村穴山(現・茅野市玉川)に伝わった。角寒天の始祖は小林粂左衛門といわれている。明治20(1887)年頃には創業の地で ある伏見での製造は終焉を遂げたが、明治40(1907)年代には山梨県大武川で、大正14(1925)年頃には岐阜県恵那郡で製造が始まった。国際商品として寒天がさかんに輸出された昭和はじめには、北海道、青森、岩手、福島、宮城、群馬、静岡、奈良、島根、大分などでも製造していたが、今日ではほとんどが消滅し、角寒天は長野県、細寒天は岐阜県を主産地として山梨で僅少の生産を残すのみになり、現在の生産者は約40軒である。

(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:伊那食品工業株式会社 宮下博紀))

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