キラリと光る名脇役:和だし だしを注ぐとスープカレーに
●スパイスに合う風味を考案
京都で、“桶カレー”と天ぷらの店として話題の同店。寿司桶に入ったカレーの姿に驚き、“和”を意識した内容に感心させられる店である。
カレーと共に登場する存在感ある“脇役”が、かわいい南部鉄瓶。中身はお茶か?と思いきや、実は和だしが入っている。「スープカレーでも食べてもらおうと、セットで提供。野菜スープのアイデアもあったが、『この料理の雰囲気に合うのは、やはり和だし』と考案しました」と、極檀伸哉店長。
だしには、鰹など数種類の魚の節と昆布を使用。「上品なだしだと、カレーのスパイスに負けてしまう」と、多少癖が出る素材を選択してしっかりした風味のだしに仕上げているとか。極檀店長は和食の料理人でもあり、知識と技術がだしの開発にも生かされている。
桶に直接注いでも、茶碗にご飯とカレーを入れてお茶漬けのようなスタイルで食べてもOK。スパイシーなカレーと雑穀米の食感にだしがバランスよく合わさり、また違ったおいしさを楽しめる。インバウンド客が多く、メニューにはヴィーガンカレーも用意。その場合は、昆布のみでとった和だしを添えるとかで、きめ細かく対応している。
「提供時に英語でも料理の説明をし、見て聞いて食べて満足してもらうことを信条にしています。価格は、日本人客も納得できるラインに設定しており、国内外の人に愛される工夫をしています。今のクオリティーを常に維持し、同じ満足度を提供していくことが目標」と、極檀店長は抱負を語る。
●店舗情報
「curry&tempura koisus(コイスス)」
所在地=京都市東山区宮川筋3-292